このたび、第10回JSNET関東地方会を開催させていただくことになりました。第10回という節目の会をさせていただき、大変光栄です。この会の前身は、1991年に杏林大学の小西善文先生、当時筑波大学の兵頭明夫先生、当時東京警察病院の根本繁先生、当時昭和大学の宇佐見信乃先生が作られた、関東脳神経血管内外科カンファレンスです。私も兵頭先生に連れられ、おそらく初回より参加しましたが、とても活気あふれる会でした。当時はGDCが導入されるはるか前(GDCの日本導入は1997年)で、関西では滝和郎先生が、名古屋では根来眞先生が、仙台では高橋明先生が日本の脳血管内治療を牽引していました。関東はやや出遅れた感があり、4人の先生方がこの会を立ち上げたのだと思います。この会では徹底的な症例検討が行われました。当時はだれもが初心者で、教科書や教育セミナーもありませんでした。皆情報に餓えており、一例一例徹底的に討論し、ほんとうに多くのことを学びました。その後この回は2003年の第31回を最後に、JSNET地方会に発展的に解消されました。
今回のJSNET関東地方会は初心に戻り、徹底的な症例検討を行いたいと思います。サイエンティフィックな検討はJSNET総会にまかせ、うまく治療できなかった症例や困難例など、教訓的な症例の提示をよろしくお願いします。徹底的に討論しましょう。時間に限りがあるので、ポスターでの発表をお願いすることもあるかもしれません。ご了承ください。
また今回は関東以外の先生による複数の教育セミナーも行います。脳動静脈奇形塞栓術、ステント支援動脈瘤塞栓術、頚動脈ステントの最新情報を話していただきます。
関東の血管内治療は、関西より遅れていると言われたこともありました。そうは思いませんが、徹底的な症例検討によりさらなる知識と技術の向上を目指したいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
2013年2月
虎の門病院 脳神経血管内治療科
松丸 祐司