ご挨拶
この度、第35回日本心臓移植研究会学術集会を2016年10月9日(日)北海道札幌市 ホテルさっぽろ芸文館で開催させていただくことになりました。
日本心臓移植研究会は、1983年5月27日に第1回の学術集会が名古屋で開催されて以来、日本における心臓移植医療の定着、発展に貢献してきました。
2010年7月の改正臓器移植法施行以来、心臓移植施行数は増加しましたが、それ以上に待機人数が増加し、待機日数は4年をこえる状態となってきました。また、補助人工心臓も成人では植込型が主流となり、この長期待機期間が現実に可能となっています。この待機期間は欧米のdestination therapy (DT)に匹敵しており、本邦でのDTも認可される日も近いと考えられます。
この現状を踏まえ、今回の第35回学術集会では、日本における長期の補助循環による待機を含め、心臓移植医療について幅広い議論を行おうと考えています。
特別講演としてDuesseldorf大学のUdo Boeken先生にドイツでの心臓移植の現況、Chicago 大学のNir Uriel先生にDTを含む長期補助循環について、そして北海道大学大学院医学研究科移植外科学講座特任教授の山下 健一郎先生に、肝臓移植で話題となっている免疫寛容の臨床応用についてお話ししていただく予定です。
前回から、日本移植学会認定医教育セミナー・レシピエント移植コーディネーター研修会も開催しており多くの関係者の参加を期待しています。
第35回日本心臓移植研究会 学術集会
会長 松居 喜郎
北海道大学大学院医学研究科循環器・呼吸器外科学分野 教授