ご挨拶 

                                     2012年年頭にあたって

                                      未来に向けた
                                     日本DDS学会のグローバル活動



                                                    日本DDS学会理事長
                                                            岡野 光夫
       

 昨年、日中文化交流協会の活動の中で先端医療プロジェクトがテーマとして取り上げられた。40年続く文化交流は、音楽、文学、絵画など芸術に加え、経済、商業、法律などの幅広い分野でそれぞれの文化交流が進められて来ている。一昨年、私の研究所が主催するバイオメディカルカリキュラム(BMC:医学部卒業生以外の医療に関連する分野で仕事をしている人を対象とした1年のコース)の40年前の卒業生である森清一氏が日本の財界のリーダー達と共に中国を訪問した。その際に今後は医療、とくに先端医療で日本と中国は交流すべきという提案をしたところ、中国の外務省がそれに賛同、日本側もこの新しいプロジェクトに興味を持つこととなり、最終的にスタートが決まった。  
 アジアには30億人以上の人口があり、医療はこれからという状況の中で日本の医学部がアジアのリーダーとなるべきである。しかし、必ずしもその要請に答えられていない。そもそも、日本の医学部は日本の国民の健康を診ることが中心であり、海外の活動は想定されていない。医学部の定員もそのような想定のなかで議論され、決められている現状である。
 昨年9月、私はBMC卒業生の森清一氏、安田章夫氏、中国から15年東京女子医大に来ている女性心臓外科医である常徳華博士と一緒に医学部や病院の視察に北京、天津、上海へ行った。中国の医師、研究者達と今後の日中の医療共同について意見交換を進め大きな成果を得た。とくに、私達の訪問した病院の内部、手術室などは、日本と同様にハイテク機器が装備されておりハードの充実は目を見張るものがあった。一方、ソフトに関しては、これからという印象を持った。日本との協力関係は中国にとって価値であるように思われる。天津医科大学を訪問した際に、医学部学生が1,200名であり、5年コースなので毎年240名の医師を送り出していて、さらに留学生を1,400名教育しており、毎年280名の医師を育成しアジア各国に医師として送り返しているとの話を聞いて驚かされた。将来、アジアの医学のリーダーたる位置を確立するための手は着実に打っている。即ち、中国はアジアの中でつくり上げた医師のネットワークの上に国際共同治験など、いろいろな可能性を追求できる基盤をつくっているというように考えられる。改めてわが国の明治維新以降の医療システムの変換が急務であるように思われた。  
 現在、日本は薬と医療機器・デバイスで約2.5兆円の輸入超となっている。日本での治験もドラッグラグで知られるように必ずしも活発でない。将来、日本の医療産業のグローバル化が進んだ時、アジアの医療の中での親密、且つ信頼のあるネットワーキングは極めて重要なポイントであろう。電気製品、IT製品、自動車などグローバル化が進む中、医療のみが鎖国に近い状態であり、未来に向けての何の工夫もなく、何十年前に決めた規則を全く見直すことなく活動しているのではないかと日本の医療の未来が危惧されてならない。  
 日本DDS学会は、産業、アカデミア、行政の連携の中に新しい薬物治療開発の絵を画くよう極めてユニークな活動を展開してきていることは会員一同周知の通りである。このDDS領域からグローバルな活動に向けた発信をさらに強めていくことを願っている。同時に欧米と共にアジア対策も考えていかねばならないであろう。  
 本年こそ、DDS学会の飛躍の年にすべく、日本発のDDS製品を世界に届けることを夢みながら、いろいろな活動を活発にしたいと考えている。

役員
 理事長
 岡野 光夫(東京女子医科大学)
 副理事長
 今井 浩三(東京大学医科学研究所附属病院)
 顧問
 橋田 充(京都大学)
 常務理事
 河野 茂(長崎大学)
 高倉 喜信(京都大学)
 松村 保広((独)国立がん研究センター東病院)
 理事
 前田 浩(崇城大学)
 山口 俊晴(がん研有明病院)
 片岡 一則(東京大学)
 中川 晋作(大阪大学)
 原島 秀吉(北海道大学)
 田畑 泰彦(京都大学)
 水島 徹(慶應義塾大学)
 監事
 吉野 廣祐(神戸学院大学)
 菊池 寛(エーザイ梶j
 幹事
 横山 昌幸(東京慈恵会医科大学)
 武永 美津子(聖マリアンナ医科大学)

名誉理事
 高橋 俊雄
 塚越 茂
 永井 恒司
 原   耕平
 加藤 哲郎
 眞弓 忠範

評議員
赤池 敏宏 金澤 秀子 田口 鐵男 前田 一仁
秋吉 一成 金尾 義治 竹内 洋文 前田 浩
新槇 幸彦 狩野 光伸 竹島 和男 牧野 公子
有馬 英俊 紙谷 浩之 武田(森下) 真莉子 松原 智子
伊賀 勝美 川合 眞一 武永 美津子 松村 保広
五十嵐 理慧 川島 嘉明 谷川 允彦 松本 純夫
猪狩 康孝 菊池 明彦 田畑 泰彦 丸山 厚
石井 伸子 菊池 寛 田村 清 丸山 一雄
石田 禎夫 北村 聖 田村 浩一 水口 裕之
石田 竜弘 木村 章男 塚田 裕 水島 徹
石原 比呂之 木村 聰城郎 土屋 晴嗣 水野 勇
市川 裕一郎 際田 弘志 堤 康央 宮崎 正三
伊藤 修正 楠原 洋之 寺田 弘 村上 照夫
伊藤 智夫 熊井 浩一郎 東條 角治 村西 昌三
伊東 文生 熊倉 稔 戸口 始 森本 一洋
伊藤 嘉浩 黒崎 勇二 中川 晋作 保田 立二
稲木 敏男 小泉 史明 長崎 健 安永 正浩
今井 浩三 河野 健司 中島 恵美 安原 眞人
今井 輝子 河野 茂 中西 真人 蛹エ 克紀
上釜 兼人 小暮 健太朗 中野 眞汎 山内 仁史
植田 眞澄 小平 浩 中山 正道 山岡 哲二
宇都口 直樹 小西 良士 成澤 真治 山口 俊晴
惠畑 隆 小室 正勝 西川 元也 山口 幸也
大矢 裕一 佐々木 茂 西畑 利明 山下 富義
岡野 光夫 佐塚 泰之 西山 伸宏 山田 圭吾
岡田 直貴  嶋田 甚五郎 萩原 明於 山田 昌樹
岡田 弘晃  下房地 剛 橋田 充 山本 昌
岡部 敬一郎 菅原 幸子 羽渕 友則 山本 雅哉
緒方 宏泰 杉立 彰夫 濱口 哲弥 矢守 隆夫
奥 直人 杉林 堅次 林 正弘 由井 伸彦
尾関 哲也 杉山 雄一 原島 秀吉 横浜 重晴
小田切 優樹 鈴木 敏夫 檜垣 和孝 横山 昌幸
粕川 博明 鈴木 嘉樹 檜垣 惠 吉川 剛兆
片岡 一則 須藤 眞生 肥後 成人 吉野 廣祐
片山 佳樹 園部 尚 平野 隆 四ッ柳 智久
加藤 健 多比良 和誠 広田 貞雄 脇山 尚樹
加藤 将夫 高倉 喜信 方 軍 渡辺 俊典
加藤 隆一 高田 寛治 星野 哲夫 渡辺 善照
門脇 則光 高山 幸三 米谷 芳枝

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