会長挨拶

 この度、第32回日本小児脾臓・門脈研究会を平成31年3月2日(土)に東北大学医学部 星陵オーディトリアムにおいて開催させていただくこととなりました。
 本研究会は、成人とは異なる小児特有の脾臓機能に関する知見や外傷・門脈圧亢進症・脾機能亢進を呈する様々な内科的疾患・脾臓摘出手術手技など、小児脾臓に関する最先端の知見に関する情報交換を行うことにより研鑽を深め、その成果を日常の診療や研究に活かすことを目的としています。
 東北大学としては1990年に、第3回研究会が大井龍司会長の下で開催されました。今回は29年ぶりに仙台の地で開催させていただくということで大変感慨深いものがございます。
 今回から本研究会の名称が「日本小児脾臓研究会」より「日本小児脾臓・門脈研究会」へ変更となりました。
 小児においても近年、門脈血行異常症が先天性代謝異常、小児栄養消化器肝臓、小児外科など多領域から注目されており、先天性門脈欠損症として小児慢性特定疾患にも取り上げられております。また、この疾患は指定難病として認定されることを目指して、厚生労働省の難治性疾患政策研究班の研究対象になっております。
 そのため、小児の門脈血行異常が本研究会の主要なテーマの一つであることをアピールして、その方面の研究者にも参画していただき、本研究会の枠組みで主体的に政策研究事業に関わり、社会に対するさらなる貢献を図ることが本研究会の本来の目的にも合致しているとの考えから名称変更を行いました。 この名称変更によって、本研究会から発信される新知見や成果が小児の一般臨床のみならず厚労行政にも役立てられることを大いに期待しております。
 今回は名称変更後初回であり、主題を「先天性門脈欠損症・門脈体循環シャント」といたしました。その他、脾臓・門脈に関する演題を広く募集いたします。
 特別講演は東北大学医学系研究科放射線診断学教授 高瀬 圭先生にお願いしております。国内外でもトップクラスのIVRに関する技術と経験をお持ちであり、参加者の先生方にも非常に有意義な講演になると期待しております。
 早春の仙台は風が強く寒さが厳しい日もございますのでお越しの皆さまが少しでも温まるようにと休憩時間には和菓子とお茶のおもてなしをご用意しております。
 みちのく仙台で多くの皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

第32回日本小児脾臓・門脈研究会会長
日本小児脾臓・門脈研究会代表世話人
厚生労働科研「小児期発症の希少難治性肝胆膵疾患における 包括的な診断・治療ガイドライン作成に関する研究」代表者
東北大学大学院医学系研究科 発生・発達医学講座 小児外科学分野 教授
仁尾 正記