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RTD申込/ 各テーブルのご案内

企画趣旨

 ラウンド・テーブル・ディスカッション(以下RTD)は1998年以来、毎回にわたって、研究・教育・臨床に携わる大学関係者や開業医、医療関係者などが「矯正臨床」に関わる様々なテーマについて、講演や展示発表とは違った相互コミュニケーションがなされてきたプログラムです。モデレータの取り上げたテーマについて参加者が自由に楽しく語り合える意見交換の場であり、会員相互の出会いの場でもあります。毎年、興味ある内容のテーマで構成されており、参加した会員同士が十分に活発な討議をして、一つでも多くの稔りを持ち帰れることを期待して開催されています。
歯科医療の技術革新、医療制度の改変、患者さんのニーズの多様化など歯科界を取巻く環境が年々厳しさを増す中で、我々は公益社団法人日本矯正歯科学会という立場で「矯正臨床」を国民の視点に合わせていかに提供すべきかを常に考慮する必要があると考えます。本年は、難症例、外科的矯正治療例の検討会、最新の矯正学等も視野にいれて、企画・内容の一層の充実を図りたいと考えておりますので、皆様方のご理解とご参加をお願い申し上げます。

RTD開催概要

日時 : 2015年11月19日(木) 12:00~13:30(予定)
場所 : 福岡サンパレスホテル 2F パレスルーム

参加費 : 3,000円(昼食代を含む)

定員 : 1テーブルにつき10名(モデレータを含む) ※テーブル1については15名(モデレータを含む)

申込方法・申込期限

オンラインにて受付をします。 9月16日締切以降の受付はメールにて行います。

 

jos-meeting@intergroup.co.jp へ「所属」「名前」「希望テーブル番号」「メールアドレス」をご記入の上、ご送信ください。メール受取後、事務局より申込完了、お支払い方法についてご連絡いたします。

 

申込期限:2015年9月16日(水)
延長しました。

 

各テーブルのご案内

テーブルNo.1 )

成長期上顎前突症例における下顎の治療効果について (山口 徹太郎)

テーブルNo.2 ) 顎顔面骨格形態と咬合 (溝口 到)
テーブルNo.3 ) 咀嚼筋疲労の生理・生化学的機能評価の取り組み (北原 亨)
テーブルNo.4 ) 下顎側方偏位を伴う顎変形症患者における顎関節症状と下顎頭形態との関連性 (山田 恭平)
テーブルNo.5 ) 難症例に挑む ~治療アイデアとチーム医療~ (柳田 剛志)
テーブルNo.6 ) 日本矯正歯科学会専門医制度について (島田 正)
テーブルNo.7 ) 日本矯正歯科学会指導医の更新申請の進め方 (田中 栄二)
テーブルNo.8 ) 日本矯正歯科学会ホームページガイドライン (富永 雪穂)
テーブルNo.9 ) いわゆる不定愁訴を伴う下顎偏位症例を経験して (森田 明子)
テーブルNo.10 ) タブレットコンピューターを使った「共感」プレゼンテーションの実際 (菅原 泰典)
テーブルNo.11 ) 顎矯正手術など口腔外科手術後に生じた問題 (山口 芳功)
テーブルNo.12 ) 臨床心理学から“歯科臨床”心理学へ (龍野 耕一)

 

テーブルNo.1 成長期上顎前突症例における下顎の治療効果について

山口 徹太郎  (昭和大学歯学部歯科矯正学講座)

 

略歴
2004年3月 昭和大学歯学部歯科矯正学教室 助手
2007年4月 昭和大学歯学部歯科矯正学教室 講師
2012年10月 昭和大学歯学部歯科矯正学講座 准教授

 

著書や研究発表の実績
「診療ガイドラインについて. 成長期上顎前突治療に関する文献検索から」第73回日本矯正歯科学会大会 2014年
「矯正歯科診療のガイドライン―上顎前突編―」(社)日本矯正歯科学会ガイドライン策定委員会実務者2014年

 

抄録

2014年日本矯正歯科学会は「矯正歯科診療のガイドライン―上顎前突編―」を発刊した。 上顎前突症例に対する顎整形力の適用、特に下顎に対する治療効果についてのいわゆるエビデンスの入手は容易ではない。そのエビデンスを読み解く中で治療効果の定義、症例の選択、治療開始時期など検討されるべき課題が見え隠れしている。ご参加いただく先生方にはあらかじめ治療効果に対しての意見を表明した上で、経験豊富な会員を招聘し症例を供覧しながら先生方と活発な意見交換をしたい。

テーブルNo.2 顎顔面骨格形態と咬合

溝口 到  (北海道医療大学歯学部歯科矯正学分野)

 

略歴
1987年 東北大学大学院歯学研究科博士課程修了  
1996年 アルバータ大学Heritage Medical Research Center 客員教授(文部省在外研修員)
1997年 北海道医療大学教授

 

著書や研究発表の実績
歯の移動の臨床バイオメカニクス、医歯薬出版、2006年
顎変形症の術前歯科矯正治療のすすめ方、ヒョーロンパブリッシャーズ、2012年
Growth of the mandible and biological characteristics of the mandibular condylar cartilage Jpn Dent Sci Rev、2013年

 

抄録

矯正歯科治療では、個々の患者の有する顎顔面骨格形態が、治療の難易度や治療後の咬合の安定性に大きく影響している。顎顔面骨格形態は、前後的には骨格性Ⅰ級、Ⅱ級、Ⅲ級に、垂直的にはmedium angle、high angle、low angleに分類できる。今回は、特に垂直的骨格形態変異型が上下顎歯列の垂直的位置関係だけでなく、前後的位置関係に及ぼす影響について討論したい。

テーブルNo.3 咀嚼筋疲労の生理・生化学的機能評価の取り組み

北原 亨  (九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座歯科矯正学分野)

 

略歴
1989年3月 九州大学歯学部・卒業
1994年4月 九州大学・助手   
2013年4月 九州大学大学院歯学研究院・講師

 

著書や研究発表の実績
「筋機能MRIおよび31P-MRSを用いた咀嚼筋疲労の分子イメージング」 北原亨、飯久保正弘、湯浅賢治、高橋一郎 第73回日本矯正歯科学会大会(2014年)において、優秀発表賞受賞

 

抄録

咀嚼筋の疲労や痛みは、開口障害や咀嚼障害などの原因となっていると考えられる。それらは医療の目的である「生活の質の向上」に大きく関わっており、咀嚼筋疲労や疼痛の発症機序の解明および診断法確立が期待されている。
我々は、骨格筋代謝を非侵襲的に評価できる客観的な生体計測法として、分子イメージングに着目し、その妥当性を探ってきた。今回は、咀嚼筋疲労評価について情報交換の機会を提供する。

テーブルNo.4 下顎側方偏位を伴う顎変形症患者における顎関節症状と下顎頭形態との関連性

山田 恭平  (東京医科歯科大学大学院歯学総合研究科咬合機能矯正学分野)

 

略歴
2011年 東京医科歯科大学歯学部歯学科卒業
2011年 東京医科歯科大学歯学部付属病院臨床研修医
2012年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科咬合機能矯正学分野入局 専攻課程修了し現在に至る

 

著書や研究発表の実績
「下顎側方偏位を伴う顎変形症患者における顎関節症状と下顎頭形態との関連性」
日本矯正歯科学会2013年(第72回優秀発表賞)

 

抄録

近年、3次元CTの発展に伴い、顎関節における高い精度の形態評価が可能となってきた。しかしながら、下顎頭形態と顎関節症状との関連については不明な点も多く、さらに検討を加える必要がある。今回、骨格性下顎側方偏位患者の下顎頭径の左右差と関節雑音発現との相関について評価を行い、興味ある知見が得られたので、そのデータを示させて頂き、ご出席の先生方からご意見をお伺いしたい。

テーブルNo.5 難症例に挑む ~治療アイデアとチーム医療~

柳田 剛志  (岡山大学病院 矯正歯科)

 

略歴
2003年 岡山大学歯学部歯学科 卒業 2007年 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 修了
2009年 岡山大学病院矯正歯科 助教 2014年 岡山大学病院矯正歯科 教育医長
2015年 岡山大学病院矯正歯科 講師

 

著書や研究発表の実績

2011年 Yanagita et al., AJO-DO, 139:679-689.(リンガルブラケットとTADを併用した症例報告)*CDABO 2012 Case Report of the Year受賞
2012年 Yanagita et al., AJO-DO, 143:S137-S147.(下顎頭骨折による重度開咬にTADを使用した症例報告)
2014年 Yanagita et al., AJO-DO, 146:98-107. (難症例にリンガルブラケットとTADを応用した症例報告)

 

抄録

不正咬合は分類・整理され、それぞれの不正咬合に合った矯正治療法が考えだされることで、予測性・安全性の高い治療が実現されてきた。しかしながら、希少性の高い症例や著しい難症例に関しては、それぞれの症例に合った治療法や治療装置を考えなくてはならず、また口腔外科医との密接な連携が必須となる。このような難症例に対し、各先生方がどのように対応しているのか意見交換したい。

テーブルNo.6 日本矯正歯科学会専門医制度について

島田 正  (島田矯正歯科クリニック(神奈川県)、専門医委員会元委員)

 

略歴
1973年 日本大学歯学部卒業、日本大学大学院歯学研究科入学

1979年 島田矯正歯科クリニック開設
2006年度~2011年度 日本矯正歯科学会専門医委員会委員

 

著書や研究発表の実績
「矯正歯科専門医制度に関するアンケート調査—矯正患者および保護者に対する調査−」日本矯正歯科学会雑誌 2003年
「日本矯正歯科学会専門医制度について」日本矯正歯科学会RTD 2012年, 2013年

 

抄録

日本矯正歯科学会では2006年より専門医審査が実施され、本年5月現在で306名の専門医が認定されている。審査は、12名の専門医委員会委員(うち1名は外部委員)と各地区学会から選出された審査委員8名によって行われ、情報の開示、公平性を旨としてすべて匿名で行われている。現在の専門医制度と審査の現状や展望を解説し、皆様の疑問点や要望もお聞きしたい。

テーブルNo.7 日本矯正歯科学会指導医の更新申請の進め方

田中 栄二  (徳島大学大学院医歯薬学研究部、認定医委員会委員)

 

略歴
1988年 大阪大学歯学部卒業                             
1993年 大阪大学大学院修了
2008年 徳島大学大学院教授

 

著書や研究発表の実績

2008年 総説論文 Degenerative disorders of the temporomandibular joint: Etiology, diagnosis, and treatment. Journal of Dental Research 87(4): 296-307.
2013年 第72回日本矯正歯科学会 臨床セミナー「顎関節症患者の矯正治療後の長期安定性.-より良い結果を求めて-」
2014年 著書監修 基本からわかる!歯科矯正用アンカースクリュー エビデンスに基づく安全・確実な使用法.クインテッセンス出版株式会社,東京.


抄録

平成29年度より指導医の更新制度が開始される。これまで指導医の更新は、認定医を更新することにより、自動的に更新されてきた。今回、指導医更新の要件として、研修ポイントと指導者講習会への出席のほかに、業績として論文業績あるいは3症例の症例審査が設定された。そこで今回のRTDでは、平成29年度の指導医更新制度開始に先立ち、指導医更新申請の進め方について議論したい。

テーブルNo.8 日本矯正歯科学会ホームページガイドライン

富永 雪穂  (アルファ矯正歯科クリニック(静岡県)、倫理・裁定委員会委員)

 

略歴
1987年 日本大学大学院卒業(歯学博士)
1990年 アルファ矯正歯科クリニック開業(静岡県)
2014年 日本矯正歯科倫理裁定委員

 

著書や研究発表の実績
「矯正歯科医療ステークホルダーの共通利益」第70回日本矯正歯科学会大会2011年
「下顎頭吸収により開咬を生じた成人症例」日本臨床矯正歯科医会6月例会2011年
「2段階治療を行った成長期女子アングルⅡ級1類症例」日本臨床矯正歯科医会雑誌2014年

 

抄録

近年、患者さんの受診先選択や情報収集において、重要な役割を果たしている矯正歯科医療機関のホームページで不適切な記載や表現が増加している。日本矯正歯科学会では本年より独自のホームページガイドラインを作成し会員への遵守を呼び掛けている。RTDでは矯正歯科医療の健全な発展と責任ある医療従事者として医療広告およびホームページに関して参加者の皆さんと議論したい。

テーブルNo.9 いわゆる不定愁訴を伴う下顎偏位症例を経験して

森田 明子  (フォレスト歯科矯正歯科(東京都))

 

略歴
1991年 日本歯科大学卒業
      日本歯科大学矯正学講座
2000年 フォレスト歯科矯正歯科開業

 

著書や研究発表の実績
Angle Ⅱ級顎関節症患者に適応するリップバンパーの一案 日本包括歯科臨床学会 2014年
外科矯正を用いずに矯正治療と最小限の補綴処置のみで治療を行った顎変形症例 日本歯科大学歯学会 2014年
顎関節内障を有するAngle Ⅱ級不正咬合患者に適応するリップバンパーの一案 日本矯正歯科学会 2014年

 

抄録

日常臨床を行う上で、いわゆる不定愁訴を訴える患者さんに遭遇することは稀ではない。不定愁訴を抱えながら顎変形症と診断された39歳女性(歯並びと頭痛を主訴に来院した下顎左方偏位を伴った骨格性下顎前突症例)と28歳女性(矯正治療後の後戻りと顔貌非対称、慢性的な頭痛肩こりを主訴に来院した下顎左方偏位を伴った骨格性下顎前突症例)の矯正歯科治療を経験した。全身との関わりを考えつつ、外科矯正を選択するか否か、どのようにどこに咬合位を求めるのか,治療装置に何を選択するのか等々その診断について、活発な意見交換ができればありがたい。

テーブルNo.10 タブレットコンピューターを使った「共感」プレゼンテーションの実際

菅原 泰典  (山形県 開業)

 

略歴
1987年3月 東京歯科大学卒業
1987年4月 同大学矯正学講座医局員
1996年3月 ぷらす矯正歯科開業

 

著書や研究発表の実績
「ブラケットポジショニング解釈と実際」白須賀直樹、菅原泰典共著 2015年
「タブレット型コンピューターの矯正歯科応用」第71回日本矯正歯科学会 2012年
「医院においてのタブレットコンピューターの利用用途の考察とその有用性について」第73回日本矯正歯科学会大会 2014年

 

抄録

矯正歯科治療では患者さんの協力が必要な側面が多く、治療法を患者さんが理解して行動し、そしてそれを継続することが重要である。その説明姿勢順序には、説得、納得、共感といった流れが有効と考え、当院では、歯磨き指導や筋機能訓練の説明に共感を得るためのプレゼンテーションを応用している。そこで、扱い易いタブレットコンピューターによる共感を得るためのプレゼンテーション法を参加者とともに考え、実際にその作成内容について意見交換したい。

テーブルNo.11 顎矯正手術など口腔外科手術後に生じた問題

山口 芳功  (草津総合病院)

 

略歴
1979年3月 大阪歯科大学卒業 1980年3月 滋賀医科大学付属病院歯科口腔外科 医員
1982年1月 滋賀医大付属病院歯科口腔外科助手 1988年 U.T. Southwestern Medical Center(文部省在外研究員)
1991年11月 滋賀医科大学歯科口腔外科学講座 助教授 2006年4月草津総合病院 歯科口腔外科部長

 

著書や研究発表の実績
「顎矯正外科と顎関節」顎変形症治療アトラス2001, 「狭窄歯列に対する治療」 顎骨延長術の臨床応用1999、
「顎矯正術における合併症とその対策」第46回韓国口腔顎顔面外科学会シンポジウム2005 & 第50回日本口腔外科学会総会シンポジウム2005,
「下顎枝垂直骨切り術 手術術式」第56回日本口腔外科学会総会シンポジウム2011  

 

抄録

矯正歯科治療において、顎矯正手術、抜歯、埋伏歯の開窓など、好ましい歯列、咬合関係を獲得するため外科処置を必要とすることが少なくない。これらの治療においては、矯正歯科医と口腔外科医が連携し、十分な検討のもとに治療が行われるが、時に合併症、偶発症などで問題を生じることがある。今回は、そのような外科処置後の問題点を持ち寄り、問題解決、改善に向けた討議を通じ、治療に対しての互いの認識を深めたい。

テーブルNo.12 臨床心理学から“歯科臨床”心理学へ

龍野 耕一  (たつの矯正歯科クリニック(兵庫県))

 

略歴
1990年 岡山大学大学院 歯学研究科修了・歯学博士
1992年 岡山大学歯学部 文部教官講師 (歯科矯正学講座)
2015年 臨床心理士・岡山大学医学部 非常勤講師 (運動器疼痛性疾患治療研究センター)

 

著書や研究発表の実績
成人矯正歯科臨床におけるホスピタリティー:患者のこころをどのようにわかり受け入れるか日臨矯誌2005年
成長期における背側面姿勢類型と重心動揺パラメータとの関係性評価 第72回日本矯正歯科学会大会 2013年
思春期における主観的睡眠評価と心理行動指標との関係 日本睡眠学会第39回定期学術集会 2014年

 

抄録

心理臨床において個々人の自己実現への援助とは、医療でいう患者の“訴え”や“問題”をご自身がどう意味づけるかを尊重したかかわりの中で、“共感”や“納得”などに到達することを目指している。これを心理査定や面接などを通して効果あるものとするには、基礎心理学や歯科を含む医学的視点への理解も欠かせない。このような臨床心理学の体験知の中から、私たちの矯正歯科臨床の中で自己実現過程を支え育ててくれるものを、ご一緒に考えて行きたい。

大会事務局 : 
福岡歯科大学
成長発達歯学講座矯正歯科学分野
〒814-0193 福岡市早良区田村2丁目15番1号
運営事務局 :
第74回 日本矯正歯科学会大会 運営事務局
〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-2-5 共同通信会館 4F
株式会社 インターグループ内
TEL : 03-5549-6913 FAX:03-5549-3201 
E-mail : jos-meeting@intergroup.co.jp