第184回日本胸部外科学会関東甲信越地方会

ご挨拶

第184回日本胸部外科学会関東甲信越地方会 会長
東京大学医学部附属病院心臓外科
小野  稔

関東甲信越地方会会長のご挨拶

 2020年11月28日に、第184回日本胸部外科学会関東甲信越地方会を都市センターホテルで開催させて頂きます。東京大学胸部外科系としては、2002年11月に本眞一先生(心臓外科・呼吸器外科)、2016年11月に中島 淳先生(呼吸器外科)が開催して以来、21世紀に入って3回目となります。歴史と伝統のある本地方会を開催させて頂くことは大変に名誉なことであり、教室員一同を挙げて全力で準備にあたっていく所存です。
 学会発表には、テーマの選定、対象とするテーマからの学び、発表内容の骨子を制限時間内にどのように必要かつ十分に盛り込むか、既報からみた新規性や重要性の探索と共有など、多くの作業と学びが備わっています。これに加えて重要な点は、自らまとめたプレゼンテーションを公共の場で、わかりやすい言葉で、堂々と説得力のある語りをすることです。地方会における口頭発表は、このプレゼンテーション能力を鍛える絶好の機会であると確信しています。私自身もresidentの頃、心臓が破れんばかりの緊張の中、発表ならびに質疑応答を何度も経験して、現在に至る大きな財産の源流であったと感じています。
 本学会は心臓大血管、肺縦隔、食道の3分野に焦点を置いています。いずれの分野も重症疾患が少なくなく、的確な診断、精緻な手術計画、チームワークの結晶として手術ならびに術後管理のいずれもが大きなウェイトを占めていると言っても過言ではありません。希少な疾患の経験の発表のみに留まらず、治療困難症例の集学的なアプローチによる工夫、予想外のトラブルに対するチームワークによる解決策、施設の治療ポリシーの集大成、新たな治療法の紹介など、日頃の成果を自由に発表して頂ければと思います。
 昨今の新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、2020年に開催予定であった第182回地方会(秋葉直志大会長)は誌上開催、第183回地方会(松宮護カ大会長)はweb開催の形態を取らざるを得ませんでした。第184回地方会は”stay home”, “stay hospital”を乗り越えて、是非とも一堂に会して開催できればと思います。今年から『JATS Case Presentation Awards』が始まりましたが、第184回地方会でこれに選ばれると、2021年の第74回日本胸部外科学会学術集会での発表が自動的に決まり、優秀演題には表彰があります。医学部学生、研修医の先生方を含め、たくさんの演題を奮って応募して頂くことを念願しています。

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