第69回日本薬理学会北部会

ご挨拶

松本欣三教授

 第69回日本薬理学会北部会開催をお世話させて戴くにあたりまして,ご挨拶申し上げます。富山では第66回北部会を2015年に富山大学大学院医学薬学研究部(医学系)分子医科薬理学 服部裕一教授が主催されましたが,その3年後に再び富山の地で開催させて戴く機会を与えて戴きましたことに感謝申し上げます。
 第69回日本薬理学会北部会では「先端薬理学と伝統薬から切り開く次世代医療」をテーマに,今後増加が予想される疾患の薬物治療や病態解析等に関するシンポジウムや研究発表を通じて,次世代の医療問題克服に向けた薬理学研究の方向性を明確にしたいと考えております。今日我が国では,人類が未だ経験したことのない超高齢社会,超ストレス社会を迎え,認知症やサルコペニアなどの高齢者特有の疾病や,ストレスとの関わりの深いうつ病や免疫疾患など,様々な難治性疾患が増加しています。そのため,有効・安全な新規治療薬の開発に向けた創薬研究は固より,我が国の伝統薬である漢方薬の新規薬効の探索と臨床への適用拡大が期待されています。これらを実現させるためには基本的学問分野である薬理学研究の更なる発展と,それを担う若手人材の育成が重要な鍵を握っていると言っても過言ではありません。
 このような現状を踏まえ,本北部会では一般演題発表に加え,テーマ(「先端薬理学と伝統薬から切り開く次世代医療」)に関連したシンポジウムも企画し,大学院生を含む若手研究者に積極的にシンポジストとして口頭発表して戴ける機会を設けることに致しました。本学会での発表討論が,高齢者疾患をはじめ,今後増大していくと予想される疾患に有効な治療薬,治療戦略の開発,あるいは我が国の伝統薬の新たな応用に繋がるだけでなく若い人材の育成に貢献できることを切に願っております。
 末尾になりますが,北部会には,若手,シニアを問わず,薬理学研究者が研究発表を通じ,活発なディスカッションが繰り広げ,更に懇親会で研究交流を深めるという伝統的特徴があります。本部会においてもこの伝統をしっかりと受け継ぎ,活発な研究討論と懇親の場と致したく,奮ってご参加戴きますようお願い申し上げます。  

 平成30年4月

富山大学和漢医薬学総合研究所
複合薬物薬理学分野
松本 欣三

学会事務局

第69回日本薬理学会北部会事務局

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富山大学和漢医薬学総合研究所 複合薬物薬理学分野
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