第43回 日本てんかん外科学会

ご挨拶

山本 貴道

第43回日本てんかん外科学会

会長 山本 貴道

聖隷浜松病院 副院長

この度、日本てんかん外科学会よりご指名を賜り、第43回日本てんかん外科学会を、2020年1月9日(木)・10日(金)の2日間、アクトシティ浜松 コングレスセンター(浜松市)で開催させていただきます。同時開催となる日本定位機能神経外科学会は2008年に浜松医大脳神経外科学教授・難波宏樹先生が浜松で開催して以来、12年ぶりとなります。今回、日本てんかん外科学会を浜松医大の同門として地元の浜松で初めて開催できますこと、誠に光栄に存じます。

さて第43回学術集会のテーマは「未来に繋げるてんかん外科 (Epilepsy surgery for our future)」とさせていただきました。技術革新は脳神経外科の他の分野と同様に、てんかん外科の分野においても顕著に進んでおります。従来から頭蓋内電極はグリッド電極が主体でしたが、欧州において古くから盛んに行われてきた深部電極によるSEEGの有用性が手術ロボットの導入によって再認識されてきました。いよいよ本邦でも本格的な議論が必要となるでしょう。

2010年に承認となったVNSは大きく発展し、緩和治療の重要な選択肢となっています。この10年を振り返りたいと思います。一方で米国ではResponsive Neurostimulator (RNS) という頭蓋植込み型の新たなデバイスが急速に普及してきています。DBSも難治てんかんに対し認可されました。近未来は豊富な選択肢の中から何をどのように選んで、患者さんのQOLを最大限にあげて行くか、非常に興味が持たれます。本学術集会のシンポジウムではこのような技術革新と思われるものに焦点を当てて、未来にはどのような技術や手術手技が受け継がれていくのか、議論していただきたいと思います。

他に特別企画として「結節性硬化症の治療戦略」・「High Density EEGとてんかん外科」を取り上げる予定です。更にシンポジウム「若手による研究最前線」として、これも「未来に繋げる」という意味で企画致します。本邦におけるてんかん外科の未来を見据えることができれば幸いです。

是非、多くの学会員の皆様が浜松までお越しいただけるようお願い申し上げます。