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第1回デジタル医用画像の「色」シンポジウム

パネルディスカッション 第1部:パワーユーザーと色処理専門家の連携で拓く新世界

デジタルビデオ画像の医療応用と色再現性の調整法

永田 啓
滋賀医科大学眼科学

The 1st Symposium of the 'Color' of Digital Imaging in Medicine

Panel Discussion Part 1 :
Cooperation of Power Users in Medicine and Specialists of Color Technologies
for Pioneering a New Frontier

Medical Application of Digitized Movies
and
the Present Situation of its Color Management


Satoru NAGATA
Department of Ophthalmology, Shiga University of Medical Science

Summary
The subjects discussed in this paper are (1) the history of movies used in medicine, (2) the relationship between the characteristics of human visual sensation and the performance of reproduction of colors, (3) the present situation of color management of movies from the standpoint of both video and computers, respectively.

 1.動画と医療
 過去から現在にいたる医療における動く映像(動画)の利用が,白黒フィルムからはじまりカラーフィルム・アナログビデオそしてデジタルカラービデオまでの変化に伴い,どのように変わってきたかを紹介します。とくにディジタル化に伴い,従来にはなかったコンピュータとの融合と動画利用の変化について言及します。
 そして,その変化の中で,色再現性の問題がどのようにとりあつかわれてきたかを考えたいと思います。

 2.色再現性と人間の視覚
 物理的・数値的な色再現性と,人間の感覚としての色覚の違いについて考えます。人間の色感覚のとバリエーションは,普通に思っておられる以上に広く柔軟です。たとえば,片手で右眼と左眼を交互に覆って同じ景色を見てください。左右の眼によって,色が微妙に違うのがわかると思います。しかし,両目で見たときに色のずれは感じられません。感覚器としての眼とその視覚処理系の脳でさまざまな処理が行なわれ,色補正が行なわれているからです。ここではまた,色を語る上で忘れてはならない色覚異常についても紹介します。色覚異常があってもなくても,誰もが見やすい色の組み合わせは存在するのか,色再現性の悪さがどのように色覚に影響するのかを考えます。

 3.色再現性の調整法
 以上にもとづいて,デジタルビデオ画像における色再現性の調整法を,ビデオとして見た場合,コンピュータデータとして見た場合等について紹介します。あまりにもバリエーションのあるビデオ再生環境で,どのように色再現性を保つのか,それとも保てないのか。今後の動画再生は,色再現性の観点からはコンピュータ上で行なうべきなのか。コンピュータ側の対応はどうなっているのか。そうした点についても考えてみたいと思います。