地域の包括的な医療に関する研究会
最終更新日:2013/10/1
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第1回看護セミナー「脳卒中診療の標準化における看護の役割」


本セミナーは終了しました。ご参加ありがとうございました。


「あなたは、ISLS・PSLSをご存じですか?」


 医療の現場ではいま診療の標準化が進められています。とくに脳卒中診療に関しては、tPAの保険適用に伴い、救急隊員による病院前救護(PSLS)から、それを受けての初期診療(ISLS)まで標準化が急速に普及しています。
こうした動向とその具体的内容を把握することは、救急部、救命救急センター、ICUなどに勤務する看護師は勿論、脳卒中患者に関わるすべての看護師、病院管理職に不可欠です。


【開催概要】


開催日:平成19年9月29日(土)午後1時〜5時

 会 場:昭和大学 旗の台キャンパス 臨床講堂

      東京都品川区旗の台1-5-8(東急池上線旗の台駅から徒歩7分)

 参加費: 会員1,000円,一般10,000円


◆プログラム


◆第一部


座長:中村哲也先生(板橋中央病院院長/第11回日本臨床救急医学会プログラム委員会委員/法人理事)  (13:05〜14:00)

1. 「脳卒中初期診療システムの現状と将来像」 講師/有賀 徹先生 (昭和大学救急医学教授/法人理事長)
 近年の著しい高齢化などにより、今では虚血性脳卒中の占める割合が出血性のそれを大きく凌駕しています。さらに、静脈内投与による脳梗塞治療の方法が市民に喧伝され、加えてこの薬剤の投与に時間的な制約があることから、地域の脳卒中患者の搬送システムと救急病院での初療のあり方とがにわかに注目されています。
 後者については看護師が有意な役割を果たす余地が大いにあり得ると考えます。

2. 「PSLS、ISLSとはどのようなものか?」(PSLSデモビデオ放映あり) 講師/有賀 徹先生
 病院前救護として救急隊員が脳卒中を疑う時に行うべき“標準的な観察と処置”を Prehospital Stroke Life Support(PSLS)と言い、同じく医師による初療の“標準化”を記したものがImmediate Stroke life Support (ISLS)です。
 後者を元にパスが作られることなどがあれば、看護師にとってISLSは必須の知見となります。今後に脳卒中初療における看護の役割などを考える時、ISLS は勿論、PSLSについての知識も有益です。

(休憩10分)

◆第二部


座長:石橋悦子先生(昭和大学病院看護次長、医療安全管理室)   (14:10〜14:55)

3. 「脳卒中のクリニカルパス」 講師/大高弘稔先生(東大和病院院長/東京都医師会救急委員会委員/法人理事)
 現在の医療において最も重要なことは医療の質と医療安全および効率化です。この大きな課題を解決してゆくためにはクリニカルパスは欠くべからざるツールです。
 それをうまく使いこなすことがが必要で、多くの職種がかかわる脳卒中診療においてその役割はさらに重要となります。この講演がその理解の一助になればと考えています。


4. 「脳卒中のクリニカルパスにおける看護の役割」
     講師/比留間恵先生(東大和病院脳卒中・脳神経センター看護師長/法人理事)
 脳卒中医療において、クリニカルパスを用いてバリアンス分析を行うことにより、看護の質の評価が可能となります。当院の事例によるバリアンス分析の結果から改善までの過程を紹介します。
 また、脳卒中医療にはより多くの専門職とのチーム医療が必要とされます。クリニカルパスに基づく各々のチーム医療・チームアプローチのあり方について考えてみたいと思います。

(休憩10分)

◆第三部


座長:中村恵子先生(札幌市立大学副学長、日本救急看護学会理事長)  (15:05〜16:15)

5. 「脳卒中診療における安全管理と看護師の役割」
      講師/中島あつ子先生(公立昭和病院医療安全管理者副参事/法人理事)
 初療部門における看護師の役割は処置の介助とバイタルサインのチェックに大別されます。特に脳卒中患者においては、刻々と変化する状態に合わせ、迅速に行動する必要があります。複数の医師が関り、種々の指示が飛び交う中でのリスク回避および脳卒中の特徴的な症状に対する医療安全について共に考えたいと思います。

6. 「早期リハビリの重要性」
      講師/栗原正紀先生(長崎リハビリテーション病院理事長/日本リハビリテーション病院・施設協会常務理事、
      急性期・回復期リハビリテーション検討委員会委員長/法人副理事長)
 脳卒中は高齢者に多く、また障害が大きな問題になることから廃用症候群・合併症の予防、早期離床を目的とした早期リハビリが実施され、そして適時・適切な回復期・維持期リハビリサービスが継続的に提供されていくことが大切です。
 専門チームによる急性期治療のあり方(早期リハの位置づけ)について考えてみましょう。

7. まとめ  中村恵子先生

◆質疑応答  (16:15〜16:45)


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