通算第224回
東京核医学技術研究会定例会記録 開催日平成4年4月7日
新人のための教育セミナ−Part(1)
司会 野村 悦司君(癌研究会病院)
講演1:放射性医薬品の製造過程
講師:山岡 博夫氏(日本メジフィジクス株式会社)
メジフィジクス社の放射線医薬品製造工場の紹介をしながら、サイクロトロンによる製造方法や医薬品の品質管理などについての講演が行なわれた。
メジフィジクス宝塚工場のサイクロトロンの特長
ネガティブイオンを加速して照射する。通常のものはプラスに荷電したプロトンを光速の1/10位に加速してタ−ゲットに照射していが、このサイクロトロンはマイナスに荷電したプロトンを加速してタ−ゲットに照射している。
この方式のほうが照射効率が高まる。
1.放射性医薬品の出来るまで
(1)サイクロトロンによるRI製造過程
核反応
加速粒子→標的物質→生成核(目的RI)
通常の化学反応の1億倍のエネルギ−が必要(メガeV単位)
サイクロトロン(核反応)による放射性医薬品製造図
EC EC
(201Tl) 203Tl(p,2n)201Pb→201Tl→201Hg
n
EC
(67Ga) 68Zn(p,2n)67Ga→67Zn
n
EC
(111In) 112Cd(p,2n)111In→111Cd
n
EC IT
(81mKr) 82Kr(p,2n)81Rb→81mKr→81Kr
n
EC EC
(123I) 124Xe(p,2n)123Cs→123Xe→123I
n
(2)テクネ製剤
(1)99mTcの製造方法・・・核分裂Moジェネレ−タ使用
(2)99Moの製造法・・・・・98Mo(n,r)99Mo
(3)ジェネレ−タからの99mTcの抽出法
1,溶媒抽出法
2,アルミナカラム法
(現在では2が主流)
(2)品質管理
(1)目視によるチェック(混濁、異物等)
(2)無菌検査
(3)発熱性物質チェック
1,ネズミによるもの・・・時間がかかる
2,カブトガニの血液に含まれるエンドトキシンと反応すれば発熱性物質があると判断できる。(短時間で検査できる)
(4)体内分布・・・ラット使用
(5)純度・・・・・クロマトテスト
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