223回  平成4年3月24日    会員発表
「第48回総会学術大会一般研究発表予演会」
1.三検出器型SPECT装置における均一性の検討
   東京女子医科大学病院 放射線科 前島 信之
要旨:パラレルコリメ−タでは回転中心から外れることによる均一性の差はないが、ファンビ−ムコリメ−タによるSPECTではヘッドト−ム内の回転中心から外れることでファントムの均一性が損なわれる、しかしファンビ−ム感度補正と吸収補正の両者の併用により均一な分布を示すようになり脳血流の定量化を行えるようになった。だが、ヘッドレストによる5−6%の吸収差が有り、注意が必要と思われた。


2.島津SET−070試作コリメ−タの評価
   慶応義塾大学病院 三宮 敏和
要旨:現在標準仕様コリメ−タよりファンを1.5倍にし、タングステンを用いた試作コリメ−タで、従来と比べJIS規格ファントムで4mmのホットスポットが認識された。また、断層面分解能では、HRで1.4mm、APで2.6mm、HSで2.9mmと優位な向上を認めたが、感度で従来型より著しい低下を認め、残念ながら臨床レベルでの高分解能コリメ−タは実用的ではなかった。


3.術者の被曝線量に関する基礎的検討
   東京女子医科大学病院 放射線科 久保 明美
要旨:術者が放射性医薬品を投与された患者を介助、撮影するにあたり、患者から受け被曝線量は、投与される放射性医薬品による空間線量率分布の違いを検査目的部位と集積部位の不一致の場合をも含めて理解することにより被曝低減に有効と考えられる。また、患者周囲における空間線量率は、50cm離れると1/5−1/10、1m離れると1/20−1/40程度まで減少する。


4.IPを用いた2核種同時投与オ−トラジオグラフィの可能性
   東京女子医科大学病院 放射線科核医学部 金谷 信一
要旨:IP(イメ−ジング・プレ−ト)を用いた2核種(99mTc,201Tl)同時投与によるオ−トラジオグラムの検討で、各々の核種毎の分離画像を投与量及び物理学的半減期の違いを利用し99mTc−MIBIと201TlClの分離画像を得た。しかし、至適なRI 投与量と撮影時期及び露光時間が要求されるが、2核種同時撮影法は生体内挙動差を知るのに有用である。


以上四演題の予演が行われた。
本会による予演会は、学会に参加出来ない人たちの為の発表報告でもあり、真剣な討議がなされた。
    大学医学部附属大森病院 中央放射線部核医学検査室  中込 俊雄

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