負け戦の中で
80年前の今頃(12月半ば)は日本中がお祭り騒ぎだったはずですが,今は「第3回接種」という名の本土決戦が静かに進行中です。そんな中,『吉田 裕 日本軍兵士−アジア・太平洋戦争の現実 中公新書』に,新型コロナワクチンの被害を受けた市民や接種に携わった人々を思わせる記載があったので,ここで抜粋して紹介しておきます。ワクチン禍訴訟への関わりに関係なく,御参考までに。
この310万人の戦没者の大部分がサイパン島陥落後の絶望的抗戦期の死没者だと考えられる。実は日本政府は年次別の戦没者数を公表していない。福井新聞社の問い合わせに対して厚生労働省は、「そうしたデータは集計していない」と回答している。そこで47都道府県中唯一年次別の陸海軍の戦死者数を公表している岩手県編『援護の記録』から推計すると、1944年1月1日以降の軍人・軍属、一般民間人の戦没者数は280万人となる。これは,全戦没者310万人の9割に達する。(序章 アジア・太平洋戦争の長期化 25ページ 一部回りくどいところがあるので誤解のない程度に短縮してわかりやすくしてあります)
コメント:「集計していない」ってことは,「データはある」ってことなのでしょうね(ワクチン禍犠牲者数は報告数の13倍)。
あるとき、私の講演の内容に明らかに反発を感じている元兵士が、戦争末期の関東軍 の作戦計画について質問をした。満州の最前線でソ連軍と戦った人だった。ソ連参戦の 場合はただちに撤退し朝鮮と満州の国境地帯付近に立てこもって持久戦を戦う計画だったと説明すると、天井を仰いで、「兵隊は哀しいなあ」と呟いた。軍上層部の作戦計画 などまったく知らされることなく、ただ翻弄されるだけの存在だったという意味だろう。 その一言が頭を離れなかった。(あとがき 215ページ ここは原文そのまま)
コメント:「コロナとの戦い」におけるワクチンキャンペーン=作戦に参加した/している方々はこれを読んでどう感じるでしょうか。(軍人と医系技官の共通点)
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