これまでの知見からの考察:
1.東アジアでは密に,普遍的に分布している
2.ウズベキスタン,インド,ロシアなどの古来からの陸路交通の要衝には存在しない
3.メキシコ,ノルウェーといった,東アジア系移民の少ない国には存在しない??
4.スペイン、バスク、アルゼンチンにはないけどなぜかチリにある.
5.東アジアと密接な関係を持っていた英国の旧植民地に分布する.
以上より,紙,はさみ,石のじゃんけんは東アジア起源で,近代以降,東アジア(特に中国系か)の移民で世界各地に広がり,東アジアからの移民が少ないところでは,紙,はさみ,石のじゃんけんは普及していないと見るべきだろう.
Mon, 08 Dec 2003
I saw your picture of countries that know rock-paper-scissors. Canada
is
displayed as white. I played rock-paper-scissors when I was a child,
and
I am from Canada. I am an English teacher in Japan, and I am making
a
lesson to discuss the cultural differences and similarities of
rock-paper-scissors around the world. Thank you for information from
your site.
Arlen Nimchuk
Tokushima
Sun, 09 Nov 2003 13:24:07 +0200
from Aviv in Israel.
it's a very popular game in ISRAEL
Thu, 2 Oct 2003 12:57:01 -0400
Hi Dr. Ikeda,
My name is Mike McKeown and I am currently developing a documentary
film on Rock, Paper, Scissors. I am based in Canada, and just for your
records, Canada definitely plays Rock, Paper, Scissors (in fact, the
World RPS Society is based here and they are hosting the RPS World
Championships later this month!).
I am focusing my attention on the various groups and players around
the
world who are devoted to this game. However, I am also very interested
in learning about the cultural variations and the origins of the game.
Have you had any success in learning where the game was invented? How
did it spread across the world?
Perhaps you would be interested in speaking with me for the film? I
love the fact that one of your areas of expertise is Rock, Paper,
Scissors, and I would very much like to have you contribute to my film.
Please let me know if you are interested, or if you can help me at all.
Thank you
Mike McKeown
Writer/Director
Madman Entertainment
サイトを楽しく拝見しました。横浜の林と申します。学生時代(1970年代)に、文学部祭というものができ、
学園祭と違うアカデミックな催しをやろうという話があったので、言語学科の同学年の学生たちが参加する事にした時
テーマに「じゃんけん」を選び、調べたことがあったので、大変懐かしく思いました。
その時の資料は今どこにあるかさえわからなくなってしまいましたが、覚えていることとネット上で確認できることをお知らせして感謝の気持をお伝えしたいと思います。
企画の名前はIntroduction to Jankenologyでした。
内容は3つの部分からなり、
1)日本国内の「じゃんけん」をする時の掛け声の違い(白地図に記入)
2)世界の「じゃんけん」の分布(白地図に記入)
3)文献的に見た「じゃんけん」
でした。
1)は、大学(今は無き東京教育大)の学生に聞いて各地の方言について掛け声の例を集めました。(関西は「イン・ジャン・シー」が多かったことしか覚えていません。)これを調べていく過程で、「じゃんけんあそび」というものがあることに気づきました。
それは、じゃんけんをつかった遊び(あっち向いてホイ等)やじゃんけんをするまでの掛け声を
長大化させたもの(最大のものは、私の知るかぎりでは「一かけ二かけ三かけて」で始まり西郷隆盛のお化けがでて来てやっとじゃんけんができるもので、先日NHKの番組で小沢昭一さんがスローライフの1つの例として紹介して、子供たちと一緒に歌っていました。)
これはそのとき気づいたものだったので、まとめることはできませんでした。
2)は、各国の在東京大使館を歩いて周り、聞き取り調査をしました。
質問は、「子供が遊びの順番などを決める時はどうやって決めますか」でした。
答えのうち覚えている範囲では
ソ連(時代を感じてください。):伝統的なものとして存在する。日本語で話したのでロシア語ではどうかは解りませんでしたが、「石・紙・鋏」で、日本のものと全く同じだったのはこれだけだったと思います。モスクワ出身の人でした。
オランダ:手を使うものはないが、サッカーのチームを2つに分ける時に足をつかってやる。同時にジャンプして、前後か左右のどちらに足を開き、同数になったところで2チームにする。(これは、日本で手でやる2分割ものに類似していると同時に、3すくみの足じゃん
けんとも似ていて大変興味を持った記憶があります。)
フィンランド:(日本人の館員の方でしたが、自信を持って「ない」と断言していま
した。
その理由として次のようなことを力説していました。当時は「そうですか」と引き下
がりましたが、
今思えば、到底信じられない話です。
「フィンランドは、広大な土地に分散して人が住んでいるので
子供が大勢集まって遊ぶことが無い。
また、かりに子供が何人かで遊ぶことがあり、順序を決める必要があっても、
キリスト教が徹底しているため賭け事が嫌われるので、
たとえ子供の遊びの順番でも賭け事によって決めるなどということはない。
どうしても順番を決める時は、どこどこに集合としておいて
先に来た者からなどということで決める。」
これには、キリスト教徒である私も驚きましたが、
じゃんけんとは「偶然の結果によって利益を分配するシステムである」という点にお
いて
一種の賭け事である、という知見を得たということでは
その大使館の人には感謝しています。
フィンランドには90年代に1度行きましたが、
残念ながら、聞き取りはしませんでした。
ヘルシンキやトゥルク、テンペレという町を見ましたが、
子供も集まって遊んでいるようでした。
3)の文献的調査ですが、
当時は民俗学・文化人類学のものにそのようなものはほとんど無かったように
覚えています。(民俗学科の先生にも聞いてみたように覚えています。)
唯一参考になったのは、次の本です。
日本児童遊戯集
(東洋文庫 122)
瀬田貞二=訳
大田才次郎=編
品切 全書判 1968.09
ISBN4-582-80122-6 C0193
NDC分類番号 781
今は失われた遊戯と唄のくさぐさ。明治34年に博文館が全国の報告文を集
成した好編。炊飯の煙ながれる露地に、いぶせき藁家の井戸端に、かくも豊かに遊び
つつ我々の父祖は成長した。
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=80_122
品切れですが、大学や大きな図書館には入っていると思います。
この中で「じゃんけん」は「石拳」として記載があり、
「拳」という遊戯の一種とされています。
「拳」は、本来、中国の武術のジャンルで、少林寺拳法や気功などで
知られているものですが、相手に対して拳や棒、ヌンチャクを突き出しあって
決める型から
遊戯としての「拳」が発達したとしています。
「箸拳」:
予め数(または偶数・奇数のいずれか)を
宣言しておいて、背後に隠し持っていた箸を数本ずつ一緒に出して、
その合計の数(の偶奇)を当てることで勝敗を決める
(これが1番、武道としての「拳」から近い位置にあるようです。)
今でも高知では酒席などの遊びとして行われているようです。
http://www.gallery.ne.jp/square/hashiken/
「虫拳」:
システムはじゃんけんと同じで、指が親指(カエル)、人差し指(蛇)、小指
(ナメクジ)
の1本ずつを使う「虫拳」(ナメクジはカエルを見るとすくみ、カエルは蛇に
すくみ、
なぜか蛇はナメクジにすくむ、ということから「三すくみ」という表現が生じ
たとされています。)
これと同じような考えは、
中国の関尹子という周代の古典にもあるそうですが、
「虫拳」が先にあってこの表現が関尹子に取り入れられたのか、
別の「拳」があったところにこの思想によって変化を加えたのかは解らない
(たぶん後者)ので、
「虫拳」が紀元前にまで遡ることの証明にはなりません。
http://homepage2.nifty.com/osiete/seito332.htm
「虎拳」:
遊戯としての拳の中の最大規模をほこるもの。
襖で仕切られた部屋3室と、虎の毛皮、女物の衣裳、鉄砲のセットが2つ必
要。
襖をしめて、左右の部屋で、虎・女物・鉄砲のいずれかを身につけて待つ。
襖を開くと、虎>女(和藤内(=鄭成功)の母)>鉄砲(和藤内)>虎という
三すくみで勝負がつく。
最後にすごい本が出たらしいのでお知らせしておきます。私もこのサイトを見
ただけです。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0754.html
ほんのちょっぴりの情報ですが、お役に立ててください。
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遅ればせながら,ありがとうございました.
表題の件、少し詳しく聞いてみました。
ホローダハと呼ぶ遊びです。
ホローは指という意味で、指出し遊びとでも訳しましょうか。
親指から小指までの指5本を用います。
チュ!と言いながら、どの指かを1本だけお互いに出して勝負します。
隣り合った指同士の場合は、親指側が勝ちますが、
小指だけ親指に勝てます。
離れた指同士の場合は、アイコです。同じ指の時もアイコですね。
親指:人差し指 → 親指の勝ち
中指:薬指 → 中指の勝ち
中指:小指 → アイコ
こんな感じです。案外と決着がつくもので、面白いですね。
日本式のジャンケンを、青年海外協力隊幼稚園教諭達が教えると、
園児らは、楽しく覚えて遊んでいるようですが、
一般的なのは、ホローダハのようです。
子供から大人まで、何かを決める際に使うようで、
日本のジャンケンとほとんど同じ遊び方です。
飲み屋のオネーチャンとホローダハで盛り上がったことがありました。
ちなみに、グー、チョキ、パーのような名前はないか聞いたら、
親指:エルヒー、人差し指:ドローウォル、中指:ドゥンダ、
薬指:ヤダム、小指:チキチー
と、教えてくれましたが、指の名前そのまんまのようです。
フランス在住の樋口真一さんから:狂牛病の知識を得たいと思い、調べているうちに、池田さんのHPにつきあたり、じゃんけん研究をされていることを知りました。大分前に、既に結論めいたものを導きだされていますが、まだ、仕事はつづけられているのでしょうか。私はいま、フランスにいるのですが、仕事場にいるハンガリー人に聞いたところによると、ハンガリーには同じものがあると言っていました。全部のハンガリー人が知っているかどうかはわからないが、少なくとも彼が子供時代に通っていた学校では皆がやっていたとのこと。既に伝播がなされた周辺諸国からの、近代における時間差伝播でしょうか。ちなみに、イギリス人、フランス人は知っていました。
池田コメント:97/5/23の丹波君の報告によれば,生粋のハンガリー人がじゃんけんを知らなかったことが報告されている.となると,ハンガリーでもじゃんけんの普及度が地域によって大きく異なることが考えられる.これはイギリス,フランスでも同様の現象のようだ.ますます話は一筋縄ではいかなくなった.
"ツバキ"さんから以下のような情報をいただいた.
サイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクルのソロアルバムに「シザーズカット」というのがあります。Scissors cut, paper covers, rock's braking the shining scissorsという歌詞があります。
池田コメント:三すくみの概念を強調する目的で,あえてこのような歌詞が出てくるということは,じゃんけんはそれほど一般的な遊びではないということになるかな.
私の通っていますカレッジにはフィンランド人のみではなく他国からの学生も多くいます。対象は20代前半、経済専攻の学生に聞いてみました。
フィンランド、フランス、ドイツ、シンガポール(中国系)、ロシア(モスクワ):有、用途は同じと思われます。主に子供がデシジョン-メイキングに使う。
ロシア(サンクトペテルブルグ)、エストニア----無。
尚、同じ国に住むフィンランド人同士でもじゃんけんを知っている者と知らない者がおり、日本における程の共通の認識は見られませんでした。ロシアについても同様。ドイツにおいてはグーチョキパーの他にももうひとつの選択肢があるようでした。
コメント:また,新たな問題が出てきましたね.それはじゃんけんの普及度です.どのくらい普遍的かというのは,基準の設定がとてもむずかしい.今のところは,日本と同様に,誰もが知っているというのは東,東南アジアに限局しており,その他の国では限られた人しか知らないらしいという,おおざっぱなことまでしか言えませんね.
ご参考までに、ジャンケンの話ですが,仕事上の関係の知人の米国在住の日本人の方からの返事です.仕事場には、同じく世界各国からいるそうなので尋ねてもらいました
そういえば、この前米国のテレビドラマ「フルハウス」(金曜18:25NHK教育、放送)でジャンケンをするシーンがありました
------------------------------------
ベトナム人は「良く知っている。但しハンマー、袋、はさみだ。」とのこと。
台湾人もよく遊んだとの事。
イスラエルでも広く知られている。
ドイツではそれほど知られていない。
ロシア人は聞いたことがないといっていました。
−−−−−−−−−−−−−−−−
コメント:ロシアにはないということがポイント.つまりウズベキスタン,ハンガリーといった東西文化の陸路の接点となる国々には存在しないということから,やはりシルクロード説は否定的である.
99/4
メールでこんな招待状が届いた.カリフォルニアのリゾートホテルの宣伝らしい.
Subject: International Rock-Paper-Scissors Invitational Oct. 15-17, 1999
You are invited to participate in the World Invitational. Spirited Play and Cunning Strategies. You are allowed to invite one other person from a different, Province, State, or Country. Excellent off season rates with a great view and inspirational sunrise.
J. Robert Roemer, CLU 904-808-7346
Other points of interest:
Alligator Farm + Bird Sanctuary + Castillo de San Marcos. + Dog Track
+ Environmental Wonder + Fishing Pier + St. George Shopping + Hot Datil
Peppers + Inter Coastal Waterway + Jacksonville + Klippty Klop Horse Drive
Carriages + Lighthouse Museum ... They're all on the
"List of Things to Do" in St. Augustine ; the list goes on.
Please call me at 904-808-7346. I'm co-ordinating group sales at the full service
Howard Johnson Resort Hotel.
We are hosting a series of "New You" self improvement excursions. It is imperative to have a long beach and fantastic sunrises. We have developed a group of personal trainers and personal success coaches who will provide the good stuff for the next Millennium.
Plus special activities for "Young Adult Market" .....Volleyball Week is June 10 -19.
This year Gold Medal winner Pat Powers will host a clinic, autograph session, and banquet. Pat is the coach at the fabled University of Southern California.
J. Robert Roemer 904-808-7346
Keiko Tanakaさんの職場にEUからの研修生として来ているギリシャ人はじゃんけんを知らない.ただし,似たようなゲームはある.
ラテン系の独身女性の孫請けを見つけました。「メキシコにおけるジャンケン報告」first authorは、K. Suzuki-Sato, Second authorは不肖わたくし、Last authorは、もちろん、先生っと言うのは、如何でしょう。と、話が唐突ですみません。実は、昨夜、日系メキシコ人女性とヌーベル・キュイジーヌ風のメキシコ料理屋と言う店に行って参りました。
彼女に、メキシコのジャンケン事情を尋ねたところ、「よくわからない」。もちろん、ご自身は知っておられるけれど、生粋のメキシコ人に聞いて見たことがないのだそうです。日本の文化は「コメットさん」に始まり、多種多様な日本のTV番組がスペイン語化されて放送されているから、浸透しているかもしれないとのことでした。もっとも、日系人或いは、アメリカ人から伝わる可能性も大ですから、インカ文明(?)が古代のじゃんけんの絵でも残していない限り、メキシコのじゃんけんの起源を太古に求めるのは無理かもしれません。いずれにせよ、今度里帰りした際に綿密な調査をしてくださるとのことでした。
北アイルランド出身のプロテスタントも,オーストラリア人のお姉さんもサッカーに加わっていて、オーストラリアでも、ごく普通にジャンケン行われていることは追認されました。純然たるアイルランド人については、ジャンケンを知っていても知らないふりをする。
即ち、地域差(或いは人種の違い?)はあるものの、イングランド、北アイルランドのプロテスタント,アメリカ、オーストラリアには、ジャンケンは子供の時からごく、当り前のものとして根付いているのに対し、普及しているのに、アイルランド共和国の人にとっては、親の仇同然で、言葉は知っていても愛用するはずのない代物だったのであります。つまりは、基本的には変わりはないのですが、英連邦とその関係諸国においては、ジャンケンは相当、重要な問題をはらんでいることに気付きました。
クロムウェルのアイルランド侵略後、アイルランド人はジャンケンをしてはならぬと言うお触れが出た可能性は否定できませんが、むしろ、侵略者のものであるジャンケンは拷問にかけられたってするものか、というのが Irishの基本精神なのではないでしょうか。
ついでながら、ノルウェー人は、Paper-Rock-Scissors game自体を知りませんでした。
コメント;やはりブリテン島内部での分布は日本ほど密ではない.日本のように誰でも知っているという遊びではないのだ.起源はやはり東アジアなのか.
アラバマの彼の研究室に来たUzbekistanの客員教授。丹波君が彼に、じゃんけんのことを尋ねたら、「知ってます」。むむ、遂に池田のSilk road説を証明する方が現われたか、と一瞬の緊張が…それも束の間。「娘に教えてもらいました」。因に彼は、日本に足掛け4年おり、日本語はペラペラ。彼より日本語ベラベラになったお嬢さんから教わったとのこと。
ウズベキスタンのような東西交通の要所でじゃんけんがないというのは驚きの一言に尽きる.何しろモンゴルにはあるのだから.インド,ハンガリー,ウズベキスタンにはないとすると,シルクロード説は完全に否定される(じゃんけんの分布世界地図参照).こんな大切な陸路でないとすると,海路だろうか.海路だとしても,コロンブス一味が梅毒を広めた時代以降だろう.それ以前だったら,中央アジアにも広がっているはずだ.どこが起源にせよ,じゃんけんの伝播は近代以降ということになるだろうか.いずれにせよ,シルクロード説は撤回して,新たなルートと時代を考えなくてはならない.
手の形が同じでも,意味するものが違ってくる(パーが水,チョキが鳥のくちばし)という報告ははじめてだ.
テレビを見ていて、ハッと思い出しました。そのテレビとは、ソニアリキエルのファッションショーの舞台裏の取材だったのですが、楽屋で、モデルたちが、じゃんけんをしている映像が一瞬写りました。ショーの合間に、美女たちが6人集まり、[ワン。ツー。スリー]と、英語で(仏語でないのが新鮮)掛け声をかけて、はさみや石を出していました。詳しいことはわかりませんが、とりあえずご報告です。
ドクトル勝田にとっては美女達はAnorexia nervosaを思い出させるのであまり好みではないとのことだが,それでも貴重な一瞬を捉えてレポートを送ってくれた.しかし,それにしてもじゃんけんで何をやっていたんだろう.楽屋で美女がじゃんけんをするとなると,やることは決まっている.そう野球拳だ.
奴といっても,はじめからどこの誰だってわかっていたわけじゃない.でも神様は前々から決めていたはずだ.今日,彼から初めてメールを受け取った時,疾風を操縦する腕っこきが,ムスタングに乗った敵のエースに出会う場面を心に描いた.松本零士の世界だ.
彼の名はMike Zurer.カリフォルニアのコンピュータープログラマー.それだけしかわからない.自分はじゃんけんの起源と伝播に興味があって研究している.じゃんけんを広めた奴を突き止めたい.お前のじゃんけんのページ(英語版)を見た.今までに得た情報を教えてくれ,共同研究しようというのだ.あいさつ代わりに,カリフォルニアのフリスビープレイやーの間でコイン投げで決めにくいような条件を決定するときにじゃんけんが使われると報告してくれた.また石,紙,はさみ以外にオールマイティの”fire”が一生に一度だけ使えるとある.以前,シドニー大学のRob Dielenbergが"bomb"と言っていたのはこのことだったのだろう.
Hello! I work as a computer programmer in California, and I was searching for the Ro-Cham-Bot when I came across your home page. There was apparently someone who had set up a neural net to play RPS, and I was trying to track him down.
Some RPS stuff:It is used extensively among Ultimate Frisbee players where a coin toss might be used in other games(choice of shirt color, sometimes for starting position), or in situations where there does not seem to be a possible resolution to an on-field disagreement. Typically a decision is made with a "first to two" set. In other words, it's best of three, but ties are thrown out.
Also among Ultimate players, the throw of "fire" has gained acceptance. Fire beats everything, but you are only allowed one in your life. This rule actually fits nicely with the culture of self-officiation in Ultimate.If you have any collected info that is archived somewhere, I'd love to see it!
-Mike Zurer
彼にはこれまで僕が得た知見をまとめて知らせておいた.さて彼はどうすることやら.彼の出方がどうあれ,こちらの研究を早く進めなければ.
池田コメント;新大陸であるアメリカ合衆国にはじゃんけんは完全に根付いていると見える.
モンゴルではじゃんけんが一般的に存在する.ポーガルガッフと呼ばれる.ただし,紙,鋏,石の”じゃんけん”と,もう一つ,それぞれの指に強さがあって組み合わせて出すことによる勝負があり,これも含めてそう呼ぶのだそうな.負けたら罰に馬乳酒を呑ませると云う遊牧民の遊びがあるらしい.
池田コメント;文化人類学を考える上で,モンゴルという国の重要性は改めて強調するまでもない.このレポートと,ハンガリーにはじゃんけんがないという下記の丹波君のレポートを考え会わせると一つの史実にたどり着く.すなわち,1241年,ワールシュタットで大勝したバトゥは,オゴタイ・ハンの急死によってブダペストを目前にして突如撤退しなければならなかった.
GO TOP
97/5/23:
東部戦線での畏友,丹波嘉一郎君(アラバマ州,バーミングハム在住)から:
(本当は4/15にレポートをもらっていたのだが,私が掲載し忘れていた).Hungary最新情報を入手しました。27歳くらいのMDで、生粋のハンガリー人です。彼は、じゃんけんを全く知りませんでした。彼は野球も知らなかったのですが、じゃんけんの方がルールが簡単な分だけ、理解はできたようです。
これで、シルクロード説は崩壊か?イギリスへは夏目漱石が持って言ったというのでは駄目ですか?(しかしなあ,夏目漱石はエリトリアには行かなかったはずだからなあ)
Greetings,
I don't know the origin of Rock, Paper, Scissors, but it is definitely
an integral part of American childhood as well. I grew up in upstate New
York, which at the time had roughly 0% Far East population, and it was
one of those things that everyone just seemed to know. There are several
ways for children to decide who "wins" something or goes first in a game,
and "Rock, Paper, Scissors" is one of them. Also available was "One potato,
two potato"; "Eeenie, Meenie, Miney, Mo"; "Odds and Evens" (like RPS, only
each person picks odd or even, and at the count of three, puts out a number
of their fingers. The person who picked the correct parity for the sum
of all the fingers of both people wins); "Not It" (last one to say it loses);
or a simple coin toss. There were other, more obscure ones, but these are
the ones that we usually used as children.
As for "Rock, Paper, Scissors, Lizard, Spock", me and a friend created
it, with "Lizard" and "Spock" being two other figures that could easily
be formed with a single hand.
--Sam
また,彼からはその後こんな手紙ももらった.誰か,このThe
Far Sideとか,Dilbertについて知りませんか?(後日判明.上記参照)
If it's any help, "Rock, Paper, Scissors" has been referenced in many
American comics, such as The Far Side ("Life Before The Invention Of Paper
And Scissors" "Dang-- Tied Again!"), and Dilbert. Since paper, or papyrus,
is ancient, you might try investigating the invention of the scissors,
about which I know almost nothing.
--Sam
Unfortunately, I really know nothing of the origin of rock-paper-scissors. As you are probably aware, through your research, rock-paper-scissors has been widely played here in the United States for years, and is also considered a part of our culture. Since American culture is young, much of what we accept as our culture is really an adaptation from other cultures, and native origins are usually lost.
We chose the title Rock-Piper-Scissors as the title of our latest CD to keep the whole project light hearted.
Mike
とのこと.うんうん,イタリアは重要な国だ.何たって歴史がある.地中海交通の要所だし.ハンニバルはじゃんけんを知っていただろうか.
かなやま@IBMです。
会社の同僚(イギリス出身者)に聞いてみましたと ころ、
下のようなメールをもらいましたので、添付します。 イギリスでは日本みたいに「誰でも知っている」ものではないようですね。
恵
- ----- Subject: Janken
Date: Wed, 25 Sep 96 09:51:25 JST
From: mmcdonald@trl.ibm.com
To: kayk@yamato.ibm.com
Kay-san, I'm sorry I didn't reply yesterday. I tried to send a message
from Emacs, but something went wrong. I was brought up in England, but
I never saw the janken game until a Japanese businessman taught it to me.
However, my sister's children knew it when my own children were playing
it in England, and I think they used different words instead of "papers,
scissors, stone." So it may be traditional in some parts of Britain, but
I can't say definitely. Mike McDonald
1.ロンドン生まれ・20台後半;レポートにもあるとおり、知っていました。どうもイギリスではポピュラーなようです。
2.インド生まれ・20台後半 ;まったく知りませんでした。インドでポピュラーでないとすると、やはり発祥は中国あたりか?
3.中国系アメリカ人(アメリカ生まれ) じゃんけんのことは知っているが、普通のアメリカ人は知らないという意見でした。彼女も中国誕生説です。
4.アメリカの子供(息子のサマーキャンプの友人たち)もともとは知らない。どうも日本人or中国人経由で覚えたらしい。
うーーん,インドにないというのは意外ですねえ.インドというのは多民族,多宗教国家ですから,もちろんじゃんけんの分布がまだら状になっている可能性は十分あって,簡単に結論を出すのは危険ですが,古来よりあれほど人の出入りの激しいところなのに,空白地帯があるというのは不思議だなあ.もしインドにないとすると,中国起源もあやしくなってくると思うのですがどうでしょう.だって,玄奘三蔵がじゃんけんを知らずに天竺に向かったという説明には無理があるからです.やっぱりこの研究は一筋縄ではいかないねえ.
GO TOP
97/3/10:
Mummyの諜報活動が活発である.今回はエリトリアという伝統ある国に関する極めて貴重な情報である.あの広いアフリカ大陸に多くの人が住んでいるにもかかわらず,これまで非常に情報が乏しかった.今回の報告がアフリカ大陸諸国のじゃんけん事情究明の突破口になってくれればと思う.以下Mummyの報告である
エリトリアにも“じゃんけん”がありました!知人のエリトリア人が言っていました。
「エリトリアにも昔からあるよ。」
エリトリア……南米ですね。
………そりゃ“エクアドル”だろ! (+_+☆\(-_-) ぴしっ……ホワイトキックじ
ゃ〜!(自爆ですぅ)
エリトリアはアフリカ東部、1993年4月にエチオピアから独立した国ですね。
で、ぐー・ちょき・ぱーをそれぞれお国の言葉で何というか聞いてみたところ、
「エリトリアとエチオピア遭わせて35も言葉があるから、どれがどうって言えないよ
。英語が共通語になっていたから、ぐー・ちょき・ぱーも英語で言っていたよ。」
「じゃあ、ロック・シザース・ペーパー?」
「そうそう!」
しかし!
1960年12月の宮廷クーデターに始まり、内戦・飢餓・国内分裂を繰り返すエチオピア
とエリトリアで、子供たちは今でも“じゃんけん”で遊んでいるのだろうか?
また,アラバマ州バーミンガム在住の丹波嘉一郎君からは非常に多彩なethnic groupからの詳細な取材の報告をもらっている.以下丹波君の貴重な報告である.
1.Lee 35歳 男性 韓国 純粋なソウルっ子 Research
fellow
じゃんけんの呼び方:カイバイボー カイは石、バイは鋏、ボーは包
注:2001年10月に李 和幸さんから,”カイ(カウィと書く方が正確ですが)は鋏、バイ
(これもバウィ)は岩、あるいは石、ボーは包むもの、となります。”とのご指摘をいただいた.李さん,ありがとうございました.
2.Lily ??歳 女性 中国 北京出身 実験助手
呼び方:猜拳.ぐーちょきぱーの3つがそれぞれ何を意味するかは知らなかった。
3.ハルピン出身の32歳くらいの男性MDもじゃんけんを知ってました。
4.Alabama出身でBoston, New Yorkで医学を学んだ33歳黒人男性MDは、知りませんでした。
5.Tino トラック諸島出身 在米10数年のPhD 呼び方:殆どジャンケンポンと同じ.子どものときに覚えたとのこと.大日本帝国の名残でありましょうか。
6.米国を西から東へ転々としている40代白人男性PhDも、知っていました。