iPADの蘇生で学んだこと
−老い先短い爺の意地汚さについて−
9年前に買ったiPAD2を1年程?押し入れに放り込んでおいて,久しぶりに使ってみようとしたら完全に起動しなくなった(リンゴのマークがでるだけ).2000年問題(死語!!)をやり過ごした後はほぼ完全にWindowsに移行した,かつての転びマックユーザーとしては,マザーボードかハードディスクがいかれた感じで,仮にマックを修理を専門にやっている実店舗に持ち込んだとしても,新たに買った方がいいと言われるのが関の山という状況だった.
高松にそんな店あるわけないし,次の不燃ゴミの日はいつだったかいなと,ごみ収集カレンダーを眺めたが,あいにく前日に済んでおり,その次は2週間後の月曜となっていた.その日を明後日に控えた今日,たまたま朝早く起きて,時間の余裕があったので,棄てる前に一応と思って,「iPAD 起動しない」と打ち込んだら,Googleが 「iPAD 起動しない リンゴマーク」と提案してくれるじゃないか!!「おお,神は私を見捨てていなかった!!」
リンゴループになったiPadを復元・解除する方法
このページの指示通り,まずはiTunesを使う方法(無料)でやってみたが,駄目→次にこのページからアプリケーションをダウンロード・購入して(4980円),復元した.アプリを即購入したのは,このページには,最初に無料の方法を示してあり,その後の有料アプリの使用方法も丁寧でわかりやすく,またスタンダードモード,アドバンストモードの二通りで示してあったこと等の理由により,信頼できるサイトと判断したからだ.
スタンダードモード(データは保存)でうまくいかなかったが,アドバンストモード(完全に初期化される)で見事に蘇生した.もともとデータなんてほとんどなかったので,初期化の被害は実質ゼロ.全経過は2時間だったが,朝食の用意やら洗濯,干し物,洗い物をしながらでしたので,実際に費やした時間は30分もなかったのではないかと思う.
サービスの提供方法とそのサービスへのアクセスの両方を,
ネットが劇的に変えたことを改めて実感した.ネットによる検索時に感じた「隔世の感」自体は,長年探していた柏原兵三の遺作を,上越に居ながら,ひたちなか市の古本屋にあることを特定して入手した2002年の冬と変わらなかったのだが,あの時探し求めていたのは書籍という「もの」であったのに対し,今回は「iPAD蘇生の知恵」という,タグ付けが極めて困難かつ不可視な「こと」で,さらにGoogleから予想もしていなかった提案までもらった.「こんな『こと』までも検索ボックスに入れて探せる世の中になったのか・・・」という思いで,半ば呆然とした.
ネットがあることが当たり前の時代に生まれた人に話しても「何言ってんだ」ってことになるのだろうが,こうしてネットのおかげで得られた時間は,決して無駄遣いせずに意味のある使い方をしようと思えるのは,一つには,ネットがなかった時代を経験しているからだが,あと一つあるとしたら,老い先短いことを自覚しているがゆえの,時間に対する意地汚さだろうか.
(2019/6/28)
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