本当にしつこいようだが,あなたは何千万円の不動産の取引と自分の命とどちらが大切だろうか?残念ながらどちらもあまり大切に思っていない人が多いが,どちらも同じくらい大切だと思う奇特な方は,以下の提案に御賛同いただけるだろう.
住宅建築業者が開催する現場見学会というものがある.住宅の本当の質は,出来上がったモデルハウスではわからない.特に基礎,土台,筋交いなど,完成すると隠れてしまう部分は,実際に建てている現場でしか検証できない.そのため,施工している現場で見学会を行うのである.
いい加減な施工をしていれば,かえって悪い評判が立って,客は離れていってしまうから,いい工事をしなければならない.その場での勝負になるから,ごまかしが利きにくい.従って現場見学会を頻繁に催しているような業者は,全然やらないような業者よりも信頼がおける.現場見学会というのは情報開示そのものだ.
私の言いたいことはもうおわかりになるだろう.そう,医療機関でも現場見学会をやるのである.実際に手術,検査,治療手技を行っているところを見学してもらうのである.家を買うときにさえ,現場見学会がある.客はお金よりも大事な命を預けるのである.現場見学会ぐらいやって当然だろう.見られてまずいような手技ならやるべきではない.人の命を預かるほど自信を持ってやる手技なんだから,むしろ多くの人に見てもらいたいと思うはずだ.
そう言うと,決まって,患者のプライバシーが問題だという方がいらっしゃる.それに対してかずちゃんは以下のように答える.かずちゃんはお医者さんではない.患者である.
患者のプライバシーは問題ないと思います.その患者がOKすればいいわけですから.二条河原どころか,私だったらCNNも呼んで世界中継してもらいたいですね. 私なんかは,最善を尽くしてもらってダメならそれは仕方ないと思いますよ.例え手技 に若干の問題があっても,それを云々はしません.だってそのお医者様を選んだのは自 分ですから.ただ,闇に葬られるのだけは絶対に嫌です.それは名誉の問題だからです.
現場見学会は,実はかずちゃんからの提案だ.かずちゃんはお医者さんではないが,鉄火場で毎日仕事をしているから,常にお客の心理を考えなくてはならない.医療は究極の客商売だから,自然とそういう提案が出てくるのだ.