齢に抗う

石川達三の「四十八歳の抵抗」がベストセラーとなり映画化されたのが、今から50年前の1956年。私が生まれた年です。1956年の男性の平均余命が63歳程度、定年が55歳だった時代です。(定年は1970年代の大企業でも55歳だったとか)。1956年当時の48歳というと、還暦まであと2ヶ月足らずの今の私自身に相当するでしょうか。

歳を取るということはどういうことなのかを知りたくて、私がこの本を読んだのは、今から45年前、中学3年(1971年)の時でした。読後に得た結論は、「四十八歳まで生きられるかどうかもわからないのに、何十年先のことをあれこれ心配するのは馬鹿げている」 

そんなことを思い出したのも、下記の記事を読んだからです。
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山口智子が今の心情をすべて告白 | FRaU
「醜く老いたくない。やっぱり、知恵や話術を磨いて世の中の役に立って、大人として若い人から憧れられるバアさんになりたい(笑)。年のとり方って、人における最大の課題だと思います。老いに対しては、喜んで挑んでいきたいですね。(中略)憧れられる大人になることは、大人の責任。カッコいい大人が増えないと、若者がついてこないでしょ?」
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院長も、教授も、そして院長も教授もお払い箱になった先生方も、どうか若い人のために緊張感を切らないようになすってください。「万年研修医」のスローガンを忘れず、「もう年だから」と、ゆめゆめ「油断」召されるな。「万年研修医」である限り、学生から、研修医から、憧れの対象であり続けられるのですから。

若い時はいいんですよ。嫌でも緊張感が出てくるから。肩書きとか、収入とか、過去の業績とかは、個人差がありますし、そういったもので緊張感が切れてしまうのは醜悪だと意識しやすいですから、実は大して怖くありません。一番怖いのは、誰でも言い訳にしやすい「加齢」です。

2016/02/18

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