シナリオの余白
(医療面接に関連したメーリングリストの書き込みから 2015/5/12)
ふと気づいたことで、共有しておくと役に立つんじゃないかなと思って:
僕の持論の「患者・SP(模擬患者)の間に境界線はない」ってどういうことなのか?
実際のシナリオって見たことはないんだけれど、どんなシナリオにも余白があるんだろうなと。それは患者の場合も同じだよね。患者はシナリオを持っているけど、全貌が明らかになっているわけではない。明らかだったら医者に来ないからね。
そして対話を通して、お互いに確認しながら、その余白に書き込んでいくのが、面接っていう作業でしょ。これって、患者でもSPでも同じ事だよね。
まあ、上級のSPほど「素材」の生かし方が上手い料理上手だろうから、「こんな感じで」っていうアバウトに行けばよくて、細かく作り込んだシナリオは要らないだろうっていうSPカテゴリーの別はあるだろうけど。
裏を返せば、あまりにも細かくシナリオを書き込んでしまうと、こうあらねばならないという筋書きにがんじがらめになって、つまり余白がなくなって、書き込みができない=面接が成立しない。これも患者・SP双方に共通している。
以上のようなマインドセットで面接に臨めば、「正解があらかじめ設定してあって、それを当てなくちゃ自分は失格の烙印を押される」
なあんてくだらない正解依存症プレッシャーから解放されるんじゃないかな。
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