占いと医療の違い

”先生がいいと思うようになすってください”これがお客様の殺し文句である.お医者様は神様とおっしゃるお客様は,あなたにただの医者以上の役割を期待している.それは占い師の役割である.分厚い同意文書なんて真っ平御免だ.御託宣をよこせというわけである.

何しろ相手は患者様,お客様である.神様は医者じゃなくて患者様の世の中である.そうなると,あなたも占い師を演じなくてはならない羽目になる.そんなひどいお客様はご免被る.自分は占い師じゃない,ただの医者なんだと言いたくなるだろうが,ちょっと待ってもらいたい.

あなたは占いと医療は決定的に違うと思っているかもしれないが,では,どこがどう違うというのだろうか?

その昔,まったく同じだった時代があっただろう.それがいつのまにか区別できると主張する一派が現れた.それはいつの時代だろうか?ヒポクラテスの時代,すでに占いと医療ははっきり分化していたのだろうか?

今でも,占いと医療は相違点よりも共通点の方が多いが,医療と占いでは違う部分もあると指摘するのがEBMである.それでもEBMに対して謂れ攻撃を仕掛けるのは,占いと医療が全く同じ物であると主張することに他ならない.

あなたのやっている診療とやらで,どこまでが医療で,どこまでが占いなのだろうか?

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