今,我々が置かれている戦況は下記の通りである.
最新医学であなたも幸せになりましょう:私は最新医学を身に付けています.私は○○学会の専門医です.うちの病院には素晴らしい機械がたくさんあります.うちの病院の理念は,”全ては患者様のために”となっています)
↓
でも不幸になる例もたくさんあります
↓
看板に偽りあり,どうしてくれる
↓
そんなこと言われたって,医療の結果は不確実ですから
↓
“最新医学で幸せに”って言ったのは誰だ!現に,お前の病院は,”全ては患者様のために”が理念だって言っているじゃないか.
↓
そんなこと言ったのは,私じゃありません.経営者です.
↓
何だと?診療したのはお前じゃないか.医者のくせに責任回避するつもりか!訴えてやる
↓
モンスター患者だ.逃げるが勝ち!
モンスター患者は誰が作っているのだろうか?自陣に向かって発射される砲弾をせっせと供給しているのは,自陣の後方補給地だった なんてことになっていないだろうか?この応酬を断ち切るためには,どうしたらいいと思うだろうか?
敵陣への砲弾の供給を止めることだ.それはわかるけど,そんなこととても・・・と思うだろうか?
ちょっと待った!そんなことはできないというのは,誰のことだろうか?日本全国の医者と患者をコントロールしてくれと,あなたに頼んでいるわけではないんだよ.
他の医者はいざ知らず.まず自分のことを考えよう.
○自分は名医ではない.
○自分は神様ではない.
○医者が繁盛するのは決して褒められることではない.
こういった大原則に刃向かうほど,あなたは愚かではないはずだ.
あなたが名医面(づら)を止めれば,あなたに対する過大な期待は患者の中から消えていく.あなたが最新医学とやらを振り回すのを止めれば,最新医学への幻想も患者の中から消えていく.そうして,自分の周りからモンスター患者予備軍を減らしていく.
そうやってあなたのような平凡だが賢い医者があちこちで増えていけば,日本全体も変わっていく.