英国はチップに気を使わないで済む国である.特に居住者の場合にはチップを必要とするのは床屋とタクシー位のものだ.しかしこれが結構むずかしい.
ある日の研究室での会話から.
私:床屋/美容院のチップはどうしてるの?
デビー:そうねえ,いつも問題になるわ.場合によるのよ.私は払ったり払わなかったり.
デビーはわりあい真っ直ぐな金髪のショートカットで,髪方など屯着しない方である.
茶色い縮れっ毛のカレンは肩より下まで髪を伸ばしている:払わないことも多いわ.チップをあげるのは特別に良くしてもらった時だけ.
私:タクシーは?
デビー:タクシーに払うことはないわ.その場限りの関係でしょ.払わなかったからって,あとあと影響がある訳じゃなし.
ニール:払ってやれよ.タクシーの運転手はチップを期待しているんだぜ.僕は原則として払うよ.お金の余裕のある時,気分がいい時,時には1ポンド位払う時もあるよ.
私:ええっ1ポンドも?
ニール:そうさ3ポンドぴったりとか4ポンドぴったりとか,そう言う時は払わないこともあるけど,2ポンド70ペンスだったらおつりは運転手にあげるものだよ.
私:イングランドとスコットランドでチップのやりかたに違いはあるのかい.
ニール:ないね.イングランド人はスコットランド人のことをけちだって言うけど,けちなんじゃなくて僕たちの方が貧乏なだけさ.