コミットメントのエスカレーション

以前、”製薬会社はなぜ撤退が下手なのか”という記事が話題になった

ここまで来たのだから、後には引けない、そんな博打のぼろ負けパターン というと陳腐に聞こえるが、”コミットメントのエスカレーション”と呼ぶと、何やらMBAの香りがしてくるようだ。

現象自体は、八甲田山死の彷徨や、先の日米戦争に代表されるように、昔からあった。

組織の型で言うと、軍隊や製薬会社のように、秘密を維持するために、peer reviewが入りにくい組織で、コミットメントのエスカレーションが生じやすい。

コミットメントのエスカレーションが生じても、偶然に起死回生の結果が生じた場合は派手に取り上げられるが、適切な時期に撤退して悲劇を未然に防いでも、決して取り上げられることがないpublication biasも、コミットメントのエスカレーションに貢献しているだろう。

参考文献
組織行動のマネジメント―入門から実践へ ダイヤモンド社