スーパーマーケットはどの国も同じ様なシステムのようでも,生活に密着した店なので,やはりお国柄が良く出ている.
グラスゴーのスーパーで強烈な印象を受けたのは,一部の商品の品揃えの異常なまでの豊富さだ.その品とは,チップス(日本で言うフライドポテト,ただし冷凍の未調理品で,家で揚げて食べる),クリスプス(日本で言うポテトチップス),ドッグ&キャットフード,チョコレート.どの品もあの広いスーパーの中で,一幅(span)をゆうに占拠してしまっていた.児童福祉協会よりも動物保護協会の方が数十年早く設立されたお国柄故に,ドッグ&キャットフードがよりどりみどりなのはともかくとして,たかが揚げじゃがいもに,なんでまたこんなに品揃えがなくてはならないんだろうといぶかしく思った.
でもよく考えると,伝統ある国民的嗜好品はどこの国でも個人の好みが多彩になるから,店の方でも品揃えを豊富にしなくてはならない.例えば日本のスーパーで味噌の棚を考えてみよう.それぞれの人,それぞれの家庭に固定してしまった好みがあって,おいそれとは変えられないために沢山の品を置かなくてはならなくなったのだろう.”うちはじいさんの代からあざみ印のクリスプスと決まってるんだ”ってな風にね.