大本営の面目

佐藤栄作は沖縄が返ってこない限り日本の戦後は終わっていないと言ったが、さすが我が大本営,霞ヶ関では,まだ戦前は生きている!!戦前に考案した計算式を現代の、そして未来の医療費予測に使っている!! 行政は継続性が命(つまり前例がないことはやらない)とする官僚の真骨頂がここにある。

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サラリーマン本人3割負担の必要性はあったのか 日医総研セミナー 
                                                 2003-11-28 09:38:50
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 高齢者の医療費自己負担引き上げによる医療費縮減効果は厚生労働省の予測
を大幅に上回る5800億円になるとみられ、今年4月にサラリーマン本人の
自己負担を3割に引き上げる必要は本当にあったのか?。日医総研(日本医師
会のシンクタンク)の客員研究員で大阪大学助教授の鈴木亘氏は27日に開か
れた「第11回日医総研セミナー 医療費予測 本当のところはどうなんだ」
に、厚労省が医療費の予測に使っている計算式(長瀬式)の妥当性に大きな疑
問を投げかけるデータを報告した。
 
 「長瀬式」とは保険給付率の変更による医療費の増減を推計する計算式。ま
た保険給付率が高くなって自己負担が軽くなると医療費が増えるといった、給
付率が医療費動向に与える影響を「長瀬効果」と呼ぶ。戦前の官僚が考案した
もので、厚労省は現在もこの式を使っている。
 
 サラリーマン本人の医療費3割負担をめぐる議論の時にも、厚労省は、長瀬
式で制度改正による医療費縮減効果を推計。2002年10月に実施した高齢
者の自己負担引き上げだけでは政府管掌健康保険(中小企業のサラリーマンが
加入する医療保険)の財政破綻を回避することはできないとして、導入が決ま
った経緯がある。ただ、自民党内などではこの時から長瀬式について、「統計
学的に意味がある式ではないのではないか」と疑問の声が上がっていた。
 
 鈴木氏が進めている長瀬式の検証プロジェクトでは、国民健康保険、組合健
康保険の診療報酬明細書のデータを収集。年齢構成や疾病構造の変化など制度
改正以外の影響要因を極力排除して、高齢者とサラリーマン本人の自己負担引
き上げの医療費縮減効果を統計学的手法で推計した。すると、サラリーマン本
人3割負担では1700億円(厚労省試算4300億円)、高齢者1割、2割
負担は5800億円(2200億円)となり、高齢者部分だけでも十分な財政
効果があったことが示された。
 
 今年4月から7月までの医療費実績を年額換算して出した推計値も、サラリ
ーマン本人1787億円、高齢者5733億円と検証プロジェクトに近く、「
おおむね妥当な推計なのではないか」(鈴木氏)としている。
 
 セミナーの総合討論では、ほかの演者からも、「統計的に適正であるかを検
証できない式に固執する必要はないのではないか」(山本幸三氏・前衆院議員
)、「医療費亡国論をあおり立てるために高い医療費を出しているという不信
感が出ている。もう少しきめ細かな常識的やり方で数値を出すべきだ」(中村
十念氏・日医総研主席研究員)と長瀬式を問題視する意見が相次いだ。
 
 厚労省保険局調査課長の石原公一郎氏も診療報酬明細書のような個票データ
を詳細に分析する必要性は認めたものの、「長瀬式にはいろいろ問題があるだ
ろうが、現在までのところ大きなミスリードはない」と反論した。
  
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