専門家たる所以
はじめにお断り:この記事には「コロナ」という言葉は一言も出てきません。

金余り・資金ジャブジャブが招いたインフレ→その反動でFRBの値上げが株価暴落を招き→米国は不景気のどん底に というマネタリスト達が喧伝する悪夢には与しない。それが著者の立場です。
米国がスタグフレーションになるって本当ですか?ダイヤモンド・オンライン2021.11.11 無料登録で読めます
『超金融緩和の解除を受けて、割高感の出ている米国株式市場は、相応の反落調整局面を迎えるだろう。ただし、2000年代以降の3大反落であるITバブル崩壊(2000~01年)、リーマンショック(2008~09年)、新型コロナショック(2021年2月~同年3月)のような大反落にはなりそうにない。筆者の投資スタンスとしては、直近高値から10%かそれ以上の中反落場面を待って買い増しするつもりだ』

この記事は理詰めの分析で説得力があります。結論は図表2に集約されています。やけにややこしい図に見えますが,実は簡単です。

●黒のPCE物価指数前年同期比実績値と水色の同推計値(著者算定)にだけ注目してください。
●水色の推計値が黒の実績値にほぼ一致しています。著者の推計方法の妥当性を担保しています。
●そうして右端の予測推計にある。赤の景気楽観・青の悲観シナリオに注目してください。(この赤,青は恐らく95%信頼区間の上下でしょう)
●2000年以降最高値にある現在の3%台のPCE物価指数前年同期比はどうなるのか?この異常なインフレが2022年もずっと続くのか?そしてそのインフレに業を煮やしたFRBが,バブル時代の三重野日銀みたいに利上げを繰り返して株価暴落→不景気を招くのか?
●そうはならないことをこのグラフは示している。すなわち,パウエルFRB議長とは全く独立して「来年の第2四半期、あるいは第3四半期までにはインフレ率は低下すると見ている」という彼のコメント(11月2~3日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定変更にて)を支持している。
●結局インフレ率は確かに下がるが,下がってもPCE物価指数前年同期比で1.7%で,決してリーマンショックや新コロショックの時のように1%を割り込むことはない。つまり不景気になることもなければスタグフレーションになることもなく,インフレ率は(某日銀総裁が夢にまで見ていた)丁度良い水準に収まる。

自分の分析・判断とともに,その判断に従って起こす行動を予めネットの記事上公開しておく。どんな分野で仕事をするにせよ,仮にも専門家を名乗るのならば,すべからくこうありたいものです。

新コロバブルの物語
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