人身御供依存症

AIが提案した治療に対してAIの責任を問う場合,あなたはどういう情景が想像するだろうか.島村ジョー(あるいは間 黒男)の着ぐるみの中に入ったAIが,むち打ちの刑に処せられる場面だろうか.いや,そんな心配(?)は一切無用である.

人身御供という言葉は,その名の通り,人間をお供物として備えることである.結果が望まないものだった場合,必ず人身御供を望まずにはいられない人々がい る.そういう人々の辞書には「天災」という言葉も,「システムエラー」という言葉も載っていない.そういう人々は,全ての望まない結果は,必ず「人災」 「ヒューマンエラー」に帰結されねばならないと考える.そして,そのためには裁判が全ての真実を明らかにしてくれると信じている.

AIを医療で使おうとする人々は,これらの人身御供依存症・裁判真理教への対応策を考えておかねばならない.何せ相手は人工知能だ.どんな刑事弁護人さえも思いつかない,とっておきの言い訳を用意している.

私はただ命令に従っただけだ」というAIの弁明に対して,一体誰が反論できるというのだろうか.
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AIの治療提案、責任の所在は未定も「根拠ある」 東京大医科学研・湯地氏(MF)
 京都市で開催中の日本臨床薬理学会学術総会で2日(2018年7月2日)、「ビッグデータと人工知能(AI)の医療・医薬品開発への活用」をテーマにしたシンポジウムが開かれた。「AIが提案した治療方法が未承認の手法だったり、一般的な常識では考えがたい方法だった場合、誰が責任を取るのか」という質問に対し、AIがもたらす医療の将来像について講演した東京大医科学研究所の湯地晃一郎氏は「結論が出ていない」としつつも、AIの提案には何らかの根拠があるため、その提案を重視して治療選択する流れになると見通した。
 湯地氏は、会場から出た「AIが提案した治療方法の責任論」の質問に「医師が責任を取るのか、AIか、AIを開発した企業か、規制当局なのか。まだ結論が出ていない」と回答。同時に「ブラックボックスで説明できない案件を説明するAIが、現在開発されている。考えつかないような治療方法や薬剤が提案されたとしても、それには何らかの根拠がある。おそらくそれを重視して治療選択する流れになる」と見解を示した。
 国立病院機構本部の今井志乃ぶ主任研究員は、医療系ビッグデータの現状とAI活用の可能性について講演した。
 今井氏は医療系ビッグデータの種類について▽レジストリー(患者単位で収集され疫学的分析を行うためのデータベース(DB)▽電子カルテデータ(カルテを中心に収集されるDB)▽退院サマリー(退院時に医師が作成するサマリーのDB)▽診療報酬請求データ(レセプトなど医療費支払いに用いるデータ)▽開業医DB(診療所の電子カルテデータをまとめたもの)▽調剤DB(医薬品の処方や販売情報をまとめた調剤薬局グルーブごとのDBなど)―の6種類を挙げ、「それぞれの区別は難しく、これらはほんの一例でしかない」と述べた。
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