大嘘百貨店・大嘘新聞をご存知だろうか.ご存知ない方は,一度,訪れることをお勧めする.要するに寄席である.初代ウルトラマン世代である私の大好きな出し物は,アンギラスやカネゴンの登場するビアガーデン砧である(文末参照).しかし,下記は大嘘新聞ではなく読売新聞からの転載記事である.
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(読売新聞)2002/7/17
かば焼きDNA鑑定、原産国不正表示は許さん
夏を乗り切るスタミナ源として愛されているウナギ――。その消費量が急増する「土用の丑(うし)」の日の20日を前に、農林水産省は、店頭に並ぶウナギの原産国が正しく表示されているかどうかを見極めるDNA検査を、月内にも始めることを決めた。見かけではわからないウナギの種類を科学の目で明かし、相次ぐ食品の不正表示で揺らぐ消費者の信頼を取り戻す狙いだ。
食卓にのぼるウナギには、主に日本系のジャポニカ種と、ヨーロッパ系のアンギラ種の2種類ある。養殖の仕方にもよるが、アンギラ種のほうが皮が厚く、脂分が多いなどの違いがある。加工前なら見かけで区別できるが、かば焼きとなると、専門家でも見分けるのは難しい。最近では、海外で養殖されたウナギを、消費者受けのする国産と表示する例もあるとされる。
そこで注目されたのが、ウナギの種により異なるDNAの配列を、特殊な酵素を使って明らかにし、種を特定するDNA検査だ。
国内で養殖される国産ウナギ(年間生産量2万3000トン)は、ほとんどがジャポニカ種。一方、海外でのウナギの養殖は中国、台湾などが中心で、輸入量は国内生産量の約6倍(約13万トン)にもなる。中国などではこの両種が養殖されている。
ジャポニカ種が輸入された場合はDNA検査でも見抜けないが、国産と表示されたウナギがアンギラ種ならば不正表示の疑いが強くなる。検査は、「国産と表示されているのに値段が輸入物並み」など、疑わしいかば焼きを購入して行う。
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”国産と表示されているのに値段が輸入物並みの,疑わしいかば焼き”だと?? DNA鑑定しなければ分からないような貴重な偽物を,わざわざ安くするわけねえだろ.ちょっとでも頭が回る奴だったら,アンギラだかアンギラスだか知らねえが,疑われないように高くしこそすれ,安い値段で売るなんて間抜けな真似は絶対しねえよ.そこまで頭が回らないのは,疑わしいものをわざわざ疑われやすいように店頭に並べる人間がいると信じている,おめでたい農水省だけさ.
ところがどっこい,実は農水省にもそんなことは分かりきっている.わかっていて,バカな新聞記者どもに上記の報道発表をして,農水省も仕事をしていますよと宣伝したいだけなのだ.しかして,その仕事の実態とは・・・・要するに公共事業なのである.その具体的な内容は下記の如くである
1.税金による,うなぎの買い上げ
2.農水省職員へのうな重の支給:DNA鑑定に使う蒲焼の量はほんの一つまみでいい.私はうなぎのDNA抽出の経験はないが,おそらく,小指の頭ほどの量も要るまい.かくして農林水産省職員は連日税金でうな重が食える結構なご身分となる.
3.DNA鑑定を民間検査会社へ丸投げして,検査代金は税金で払う.
こういう仕掛けで税金が使われるということを,バカな新聞記者や,その新聞を読んでいる国民とやらは絶対に見抜けまい.文句どころか,国民がさんざん叩いたおかげで,農水省はようやく重い腰を上げたじゃなないか,というお褒めの言葉を,マスコミや厳しいご指摘をくださる消費者の方々からいただけるだろう,そんなたわけた期待に満ちた報道発表に過ぎない.朝三暮四以下の猿知恵報道発表がまかり通るのは,新聞記者とその新聞を読んでいる国民とやらが,朝三暮四で喜んだ猿未満の知能しかないと,猿なりに考えているからだ.
地球上では8億人が飢えと栄養失調で苦しんでいるというのに,満腹になった猿や猿未満が,食べるだけでは飽き足らず,食べ物をおもちゃにして,”不正”追求ゲームに税金を投入している.食べ物のゼロリスク追求だけでは飽き足らずに,今度は”不正”追求ゲームである.このゲームバブルは,体裁を変えて生き延びる公共事業として,日本人が再び食うや食わずの状態に陥らない限り膨らみつづけるだろう.
不正とはなんだろうか.不正とは我々自身の排泄物である.誰もが排便排尿放屁をするように,我々は生きている限り,不正や,不正とはいかないまでも様々な過ちを垂れ流しつづける.多くの人は,排便排尿放屁する場所を心得ているが,不幸にもそれができない人もいる.幼児,痴呆老人での不始末は言わずもがな,中高年の女性では,力んだりくしゃみをした際に思わず尿失禁してしまうことに人知れず悩んでいる人も多い.同様に,不本意ながらも不正に追い込まれる人々もいる.
自分の排便排尿放屁を棚に上げ,誰がどこで失禁したかを追求するために,官民こぞってひたすら監視カメラを設置する.これが,飽食した猿と猿未満が跳梁跋扈する国で行なわれている,”不正”摘発ワイドショーの正体である.こんな馬鹿げたワイドショーを作るために,毎日費やされる金,時間,人材,才能,電波,新聞紙,それを視聴する人々の費やす時間・・・これらの壮大な浪費に思いを馳せることができるのなら,何百億も投資しながら,朽ち果てるのを待つばかりのサッカー場を,無駄な投資とは笑えまい.
大嘘百貨店提供のアンギラスやカネゴンの登場するビアガーデン砧