問題は患者側のリテラシー

ポリファーマシーにせよ,抗菌薬耐性問題にせよ,HPVワクチンにせよ,要は患者側の医療リテラシーが最も大きな影響力を及ぼす.サービス・プロバイダ側でそのための地道な努力を継続することが何よりも肝要.「たくさん検査をする医者に対して、ディスインセンティブを与える」なんてのは短期的に効果があるようには見えても,決して根本的な問題の解決にはならない.その患者の中にはもちろん,参考人が発言中にヤジを飛ばすような重度のニコチン依存症の国会議員も含まれる.
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医療費は「予防で削減できない」 東大の康永氏、自民・小渕小委で 日刊薬業 2018年06月28日
 自民党・財政再建に関する特命委員会の「財政構造のあり方検討小委員会」(小渕優子委員長)は26日、予防と医療費の関係について康永秀生・東京大大学院教授らからヒアリングした。康永氏は一部例外を除き、予防で医療費は削減できないと指摘。予防は健康寿命延長が目的で、医療費削減には無駄の削減が重要と強調した。
 康永氏は健康寿命延長のため積極的に予防を推進すべきだとの見解を示した。一方、小児の予防接種などの例外を除き、「予防で生涯の医療・介護費を削減できるわけではない」と指摘。医療費適正化の方策として▽脱・薬漬け医療、薬代の節約▽検査の賢い選択▽フリーアクセスの見直し▽病院機能の選択と集中―を挙げた。
 質疑応答では、参加議員から「(医療費の適正化に向け)どう国民を説得すれば効果があるか」との質問が出た。康永氏は厚生労働省の薬剤耐性対策の一環である抗菌薬の適正使用推進を好事例として紹介。「医者のビヘイバー(行動)が変わり、患者に丁寧に説明するようになった」と述べた。このほか医療費の適正化に向けては、「(不適切なほど)たくさん薬を出す、たくさん検査をする医者に対して、ディスインセンティブを与える制度はどうか」との提案も議員から上がった。【MEDIFAX】
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参考→医療経済の嘘−医療の問題は「誰が」悪いのか−

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