リテラシーは、加齢によって成長するとは限らないし、外部環境に対する心理的反応によって容易に毀損される(というか化けの皮が剥がれる)。特に社会的なパニックの時には、普段は理性的に見えていた人達まで、臆面もなく政治家や役人や企業を罵り、喚くことを繰り返す。先の震災の時には随分と枯れ尾花を見させてもらったものだ。お陰で、ネット上の主張を聴きたいと思う人の数が震災前の1割未満になり、随分とまあ、能率が良くなった。
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理性を失うと、経済論理も無視される。ギリシャのユーロ離脱、ドラクマへの復帰シナリオはどうみても非合理的である。それにより最も打撃を受けるのが、ほかならぬギリシャ国民だ。しかし「ユーロにこだわるから、これほどの緊縮を耐えねばならぬ」という短絡的思考が共感を呼ぶ状況になりつつある。「ドラクマに復帰すれば通貨切り下げで輸出競争力が回復。2015年までにギリシャ経済は復活する。韓国、アルゼンチンの例を見よ」とのエコノミストの論調が現地メディアで好意的に紹介されたりする。(豊島逸夫の金のつぶやき
南欧の反緊縮デモの臨界点 2012/9/27)
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なお、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」の原典は、横井也有の俳句集 『鶉衣 (うずらごろも) 』 にある「化物の正体見たり枯尾花」だそうです。(芭蕉は全く関係ない)