心臓帝国主義については以前に述べた。今回は、何でも脳、脳の時代、脳帝国主義の修正主義の可能性についてです。
1.まず、心臓移植者の人格変化の話題:もちろん心臓を移植した全例にこのようなことが起こるわけではありませんが:
心臓移植で転移する人格 -
記憶は細胞に宿るか
2.では、なぜそういうことが起こるのか?という疑問に対する私なりの説明として、骨髄移植患者で、ドナーの骨髄由来の細胞が、ドナーの遺伝子を持ったまま成人のレシピエントの脳に入ってニューロンやアストログリアに正常分化する(腫瘍化ではなく)ことを示した下記の論文が思い浮かびました。
C. Cogle, A. Yachnis, E. Laywell, D. Zander, J. Wingard, D. Steindler,
E. Scott. Bone marrow transdifferentiation in brain after transplantation:
a retrospective study. Lancet, 2004;363:1432-1437
3.膝の裏に日内リズムの時計が存在するとの論文が1998年のサイエンスに載りました。2002年に否定された(?)のかも知れませんが、こういう発想も面白いですね。
Campbell SS, Murphy PJ. Extraocular circadian phototransduction in
humans.Science. 1998 Jan 16;279(5349):396-9.
Wright KP Jr, Czeisler CA. Absence of circadian phase resetting in
response to bright light behind the knees.
Science. 2002 Jul 26;297(5581):571.