腸間膜静脈硬化症

たまたま医薬品安全性情報メールを見ていたところ、聞き慣れない病名に突き当たりました。
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生薬山梔子(サンシシ)とその含有製剤、腸間膜静脈硬化症に注意を 厚労省が添文改訂指示 日刊薬業 2018年02月14日
 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課は13日付の課長通知(薬生安発0213第1号)で、生薬サンシシおよびサンシシ含有製剤(医療用)14成分について、添付文書改訂を関係企業に指示した。生薬サンシシとしてはツムラの製品などがある。またサンシシ含有製剤(医療用)14成分のうち13成分はツムラの製品など、1成分は小太郎漢方製薬の製品がそれぞれ該当する。添付文書改訂では、これら全ての製品の重要な基本的注意に「サンシシ含有製剤の長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う腸間膜静脈硬化症が現れるおそれがある。長期投与する場合にあっては、定期的にCT、大腸内視鏡などの検査を行うことが望ましい」と追記する。
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腸間膜静脈硬化症mesenteric phlebosclerosisそのものについては
漢方薬内服により発症した腸間膜静脈硬化症の臨床経過 (日消誌 2014;111:61―68)』が総説としてお手頃なようです。診断のポイントは、『左側結腸に好発するはずの虚血性腸炎が右側結腸に起きた場合には、必ず漢方製剤服薬歴を聴き直す』ということでしょうか。病態としては、『上腸間膜静脈硬化→静脈血栓→還流異常による虚血性大腸病変』という理解のようです。ざっと見たところでは、これまでの報告は日本と中国に限られています。
上記総説には『本疾患は自覚症状を有さない症例も多く,検診の下部消化管内視鏡検査や他疾患の診断目的に施行されたCT検査で診断される症例も少なくない』とありますから、検診大国で病名・病態がより広く周知されれば、無症状例がどんどん見つかるかもしれませんね。

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