多々益々便ず

97年7月24日,厚生省は医師の需給に関する検討会(またもや,新たな検討会!!)の第一回会合を開き,医師数抑制に向けた抜本的な対策の検討を始めた.

世の中がこれほどまでに変わりつつある時代に,まだまだ護送船団として守っていただける有り難さには,既得権者として涙が出そうだ.

韓信ほどの知謀がなくても,医者が余っていると感じている日本国民が何割いるかどうかは,如何な厚生省のお役人でもわかりそうなものだ.そう,医者が余っているなんてとんでもない.医者は足りないんだ.

医者のようなきめ細かい対応を必要とする専門職では,対人口比の数といった単純な算術では,適正な数などわかるわけがない.よく言われることだが,一番問題なのは医者の遍在だ.医者を必要としている地域,部署に医者がいない.この問題を解決するために,もっとも単純かつ有効な方法は,医者が仕事にあぶれるようにすることだ.おまんまの食い上げになるような危機に陥らないと,人間は一生懸命働かないものだ.

医者なんかもっと増やせばいいじゃないか.医者がホームレスになったらみっともないとでもいうのか.人の健康と命を守るという究極のサービス業で,競争することのどこが悪いのか.医者なんかもっと増やしてもっと競争させろ.そうすりゃあ,ちったあましなサービスを提供するようになるだろう.

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