民活禁煙外来

ある人材派遣会社が,「禁煙したいのにできない」と悩んでいる20―30歳代の女性喫煙者を対象とした禁煙プログラムを今月31日より開始すると,2000年5月22日の日刊工業新聞が伝えています.この民活禁煙外来のポイントは,若い女性に的を絞り,禁煙が健康的なファッションと受け止められるように工夫されていることです.

1.まず,市販のタバコに穴を開け,あるオイルの香りを付着させ,”アロマセラピーのリラックス効果”(evidenceよりもキャッチコピーが重要!!)を得ながらタバコを漸減しながら禁煙させるもので,平行してモニタリングする呼気中のCO濃度が8ppm以下になったら,タバコはやめて香りだけにする

2.通院やセミナーへの参加がなく、忙しい女性も手軽に参加できるように,郵送、電話、電子メールによるマンツーマンカウンセリングを行う.

3.禁煙による体重増加に対しては,「減量プログラム」を用意.

4.禁煙成功後、味覚が鋭敏になったところを見計らいソムリエがワインを提供し、その味わいの変化を実感できるコースも用意している。

それに比べて,こちらは,わざわざ仕事を休んでごみごみした外来に昼間来てもらった挙げ句に出す物が,院外処方のニコチンパッチやガムでは,とても太刀打ちできません.

さらに恐るべきは,2ヶ月で1万5800円と,自由診療の禁煙外来と十分勝負できる,いやむしろ,サービス内容も考慮すれば,はるかに凌駕する価格設定になっています.

このプログラムは若い女性が対象だから,無骨な禁煙外来は地道におじさんを対象にしようと思い直しても,おじさん方は若い女性と知り合えると期待して,やはり民活へ流れてしまうおそれあり.

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