>京都大、大阪大は超勤手当が年間「数億円」、東北大は「1億円程度」にの
> ぼる見込みだという。京都大は医師の宿直手当を減らし、超勤手当を工面している。
>付属病院を抱える国立大は全国に42あり、多くの大学が超勤手当の工面の
> 必要に迫られているとみられる。
そう,サービス残業に対して,労働基準監督署のガサ入れも行われるようになってきた.最低賃金もクリアしなければならない.大学医学部付属病院経営者にとっては踏んだり蹴ったりの世の中になった.
元国立大学医学部付属病院を売りに出すなら、今しかない。元国立大学医学部付属病院は、構造的に赤字と事故の両方を垂れ流すリスクを抱える企業体なので、売れるうちに売った方がいい。売れるのは、元国立大学医学部のブランド力がまだあって、一部の人々が病院経営で一儲けしたいと妄想を抱いて株式会社参入させろと叫んでいる今しかない。売り払うにあたって法律が問題にならないかって?そんなもん、二言目には”改革”をわめくしか能のない粗悪な政治家をたきつけて木っ端役人に圧力をかければ、解釈次第でどうにでもなる。ましてや前例のない独法化を推進した文科省が口出しできる義理じゃない。野球のチームを買おうなんて物好きで金が余っている企業なら、絶対に買ってくれる。野球チームより病院の方が企業イメージが格段によくなる。
やっかいな病院経営を株式会社に押し付ける一方、学費を値上げして、そのお金を(売った)病院のほうに払って、教育もお願いする。臨床教育医もそちらで育てる。(昔、オリンピックの選手は、社会主義国は国が育てたが、資本主義国では宣伝も兼ねて企業が育てたものだ)。
臨床・研究・教育の三本の柱なんて、お互いが裸の王様度を競うような馬鹿な真似はとっくの昔にできなくなっている。明治時代からの幻影を、なぜ今の今まで引きずらなくてはいけないのか。形の上だけにせよ、この錦の御旗が守れるのは、おそらく東大、阪大、京大だけだ。ブランド力が落ちる他大学には金が来ないから早晩息切れする。いや、去年病院長を公募しても誰も応募者がいなかった某地方国立大学病院なんかは、一般企業の経営者の立場からは、すでに死亡宣告されているにも等しい。東大、阪大、京大以外の国立大学は、職業専門学校として生きていくしかない.医学部の人材も金も、臨床医と、臨床教育者の養成に集中させるのが,納税者に対する説明責任だ。