レボドパ反応性の診断特異度
本当に何年ぶりかで神経学の論文紹介。やっぱり気持ちいいやね。こういう論文は。なぜかって、単純明快で説明する必要がないから。「剖検で確定診断した患者の診療録を辿ってレボドパの反応性を見た研究」って言えばそれで済んじゃうんだから。もっと深く知りたい人は論文をじっくり読めばいいんだから。
剖検でパーキンソン病と確定した例でも偽陰性が9%近くある一方、MSA、PSPでも保守的(markedに限った)偽陽性が6人に一人、moderateまで含めると半数がレボドパに反応することがわかる。
この表から確実に言えることは、第一に、パーキンソン病でレボドパが効かない場合でも、直ぐさま診断を疑うことなく、地道に治療を進めながら謙虚に経過を見ること。第二に、MSAでもPSPでもレボドパを試みる価値はあるってこと。
そして更に大切なことは、新コロどんちゃん騒ぎの真っ最中でも、こういうまともな論文をしっかり纏めて発表している人達がいるってこと。
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