私も参加しているメーリングリストで、質問をする際に、疑問をどのくらい明確化するか、戸惑いをどこまで残しておくかという問題に関する書き込みがあった。
> これは,K先生の文章が分かりにくい,という意味ではなくて,K先生
> 自身の迷いのような戸惑いのようなものが前面に出た文章だったので疑問の
> フォーカスがマスクされちゃっていた,という意味です.
迷いや戸惑い、疑問の焦点のどちらを前面に出すか?これは非常に面白い問題だ。
通常は論点を明確に言語化してプレゼンするのが、"良いプレゼン"とされているが、相手の軸(プレゼン相手のリテラシーや問題意識の深さなど)、時間軸(セッションの継続性→次の機会の有無や、セッションが終わった後の自習の可能性など)によって、迷い戸惑いを前面に出すプレゼンも面白いものだ。研修医が指導医に対して、もやもや感を吐露するとか、配偶者に愚痴を言うとかが、その典型例だ。
その際、留意すべきことは、
○聴く方が、せっかく、思考の材料を提供してくれる相手に向かって、"もっと論点を明確にせよ"と相手を攻撃しないこと。PMDAの治験相談じゃないんだから。
○春日武彦先生の言うところの、「棚上」、「先送り」げをうまくつかうこと。そのセッション内で、論点を全て明確にして、回答を出さねばならないという強迫観念に囚われないこと。PMDAの治験相談じゃないんだから。