下記はフェニトインの再評価の評価判定の文章である.(平成8年6月13日付薬発第573号厚生省薬務局長通知より).あなたはこの意味が一読して判別できるだろうか.もしできたならば,あなたはその才能を利用して,ジェームズ・ジョイスの翻訳を手がけるべきだ.
”本剤については,フェニトイン及びその10倍散の生物学的利用能が他剤形に比べ低いとの報告があるが,血中モニタリングにより患者ごとの投与設計がなされており,現状においては承認内容の変更は必要ない.ただしフェニトイン及びその10倍散については,他剤形と生物学的同等性が確保されるような製剤に切り替えることが望ましい.”
残念ながら私には柳瀬尚紀氏ばりの読解力も翻訳力もない.
最高学府を出た方が,中学生以下の文章力しかないとはとても思えない.故意にせよ,無意識のうちにせよ,責任逃れをしようとするあまり,jargonをちりばめ,文脈を無茶苦茶にしてしまったのだろう.ちょうど医者が不可解な略語や汚い横文字でカルテを埋めるように.
しかし,読解不能の文章を書いて正確な情報が伝わらなくする方がはるかに罪深いということをお忘れなく.