その昔,薬ヒグチの目標は427店だったが,疾うの昔に目標を達成し,現在の目標は1327店である.しかし,これらの数値は目標であって,目的ではない.
目標と目的は明らかに異なる.ここにも手段の目的化の罠が待ち受けている.下記は,コンサルティング会社に騙されない方法 からの抜粋である.
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「待ち時間削減プロジェクト」を立ち上げる・・・まさにこのような時に、お声がかかるわけです。
「システム開発のプロジェクト・マネジメントをしてくれ」、「業務標準化の手伝いをしてくれ」と・・・。
で、このタイミングが困ってしまう依頼のひとつなんです。
なぜでしょうか???
それは「目標を達成すること」には貢献できるけど、「目的を達成すること」には貢献できない場合があるからです。
ここでの目標は、システムを導入して「待ち時間を30分削減」、業務標準化により「診察時間を3分短縮」などです。
でも、でも、それで「顧客満足度」をアップすることはできるでしょうか?
確かに全くアップしないということはないのですが、実は「顧客満足度を上げる」という目的を達成したいのであれば、待ち時間を削減するのではなく・・・
・医者がよく話を聞いてくれる
・丁寧な診察をしてくれる
・病気や薬に対する豊富な知識がある
・病例の公開・説明をしてくれる
・治療方針を選択できる
などなど「待ち時間」削減よりも、もっとカンタンに実施でき、かつ効果があるものがたくさんあったりするんです。
(下手をすると、業務標準化をして診察時間を短くした結果、「なんか冷たい」って顧客満足度が下がる可能性もあるかもしれません。)
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類似の罠として,複数目標と不明確な優先順位の問題が挙げられる.虻蜂取らず,二兎を追うものは一兎をも得ず と,警句は非常によく知られているにも関わらず,エリート集団による重大判断の際にも,このような普遍的な過ちが見過ごされてしまう例として,ミッドウェー作戦が挙げられる.ミッドウェー作戦の根本的な誤りは,本来の目標が,敵機動部隊なのか,ミッドウェー島の攻略なのかが末端まで徹底されなかったところにある.この点については,名著 「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」(中公文庫)を参考にされたい.