良質な記事とは

杉山淳一 着工できないリニア 建設許可を出さない静岡県の「正義」(ITmedia ビジネス2019/6/21)

内田通夫 ホルムズ海峡攻撃で挙がった「真犯人」の名前(東洋経済オンライン 2019/6/20)

上記はある日の昼休みに全文を読む気になった記事である.新聞が市民に相手にされなくなったのは,こういう良質な解説記事を載せられない(書けるだけの人材がいない&入ってこない&育てようともしない)からである.その結果,センセーショナルなでっち上げ記事を氾濫させるだけだから,益々信用を失い,誰も購読しなくなる.こうして新聞は貧すれば窮すの典型的な負のスパイラル に陥っている.

それに対して上記の二つの記事は,良質な科学論文とその特長が共通している.
●時系列で事実関係を整理している.
●事実とその事実に対する考察を明確に区別して書いている.
●公開されている情報を漏れなく検索し,それ根拠に書いている.独自の調査の場合には調査対象とその経緯を明らかにしている.そのことによって
ー透明性をアピールできる
ー第三者による検証を担保できている.裏を返せば書き手の自信をアピールできる.
ー漏れの無い検索により,相対的にわからない・誰も知らないが部分が浮き上がってくる→推測可能な部分も明らかになる.

あちこちばたばた動き回って,他人の時間を奪うことを「取材」と称し,紙屑を量産する.そんな社員に給料を払い続ける.思えば新聞社というのは,かくも寛大な企業なのでありました.

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