非存在の証明

まずはオボちゃんの完勝でしたね。「アカデミアが納得するのか?」と盛んに食い下がっていた人がいたようですが、また、できの悪い記者がいたもんで(できのいい人は会場になんか来ないけど)、まともな研究者はもうとっくの昔に相手にしていないってこともわかってないんだから。

→参考:演技性人格障害の可能性 あの会見前にすでに診断している点を含めて説得力がある。

彼女は会場に来た記者さん達なんか全く相手にしていませんでした。彼女の相手は、ノーベル化学賞をとったじいさんだったのです。

「今日の会見の目的は、誰かを納得させることじゃなくて、私の仕事場を確保することなの。そしてそれはあなたにとっても,決して損にはならないはずよ.私をお払い箱にすれば、あなたの評判はガタ落ちになって、特定国立研究開発法人どころか、理研の当該部門はリストラされ、STAP細胞はオワコンになっちゃって、いいことは一つもないのよ.そんなlose/loseの馬鹿げたスキームを推し進めるほど、耄碌しちゃったのかしら。でも、いくら耄碌しても、あなたは理研の理事長なのよ。理研の利権へのダメージを最小限に止める最高のアイディア、私のwin/winの提案の意味ぐらい、わかるわよね?私をうまく使おうとした初心を忘れちゃだめよ。利権、じゃなかった理研の理事長たる者、ぶれちゃだめよ。私を徹底的に使うのよ。STAP細胞だってまだまだ使えるわ。少なくともあなたより長生きできるわ。常温核融合を見てご覧なさい。四半世紀も生き延びている。それどころか、脱原発とやらで、無知なジャーナリストから脚光を浴びているじゃないの。ピンチはチャンス!特定国立研究開発法人になれなければ、それを逆手に取って、爺らしく、臥薪嘗胆とか捲土重来とか古臭い言葉で大向う受けするシナリオを書くのよ。」

UFOしかり、武田信玄の埋蔵金しかり、CIAの陰謀しかり、常温核融合しかり、そして「神」しかり。

存在を主張することはできる&存在しないことを証明することはできない。

神棚に祭り上げられてしまえば、しめたもの。科学者からは見向きもされなくても、パンと見せ物が大好きな人々のアイドルになれる。

かくして神棚に祭り上げられた細胞を巡る論争は、それが科学的かどうかには一切関係なく、その継続性は担保されたのでありました。

*常温核融合スキャンダルはSTAP細胞騒動を考える上で、非常に参考になるので、興味のある方は
Taubes,G.,BadScience―TheShortLifeandWeirdTimesofColdFusion,USA,1993.邦訳「常温核融合スキャンダル―迷走科学の顛末」朝日新聞社、1993年 をお読みなることをお勧めする。

新 聞社は毎日膨大な量の紙ゴミを産生するような「地球に過酷な」阿漕な商売は止めて、良書を選んで出版する仕事に専念すればいいのに。誰もがそう思っているのですが、ピラミッド作りが雇用を確保するための公共事業であったように、どんな無能なジャーナリストでもできる仕事を提供して、ひたすら雇用を確保する。新聞社にはそういう立派な社会的使命があるのです。

(2014/04/11)

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