インフルエンザ菌ワクチンの効果

Schushat A and others. Bacterial Meningitis in the United States in 1995. N Engl J Med 1997;337:970-6.
1992年より,合衆国ではインフルエンザ菌(ウィルスではない)に対するワクチン接種を乳児に行った結果,インフルエンザ菌による乳幼児の髄膜炎が激減したとの報告である.

インフルエンザ菌のワクチンというのは初耳の人がほとんどだろう.わたしもそうだ.合衆国の教科書を見ると,アメリカ小児学会の推奨で,Haemophilus b conjugate vaccineなるワクチンを生後2,4,6カ月の3回接種するとある.そんなに効く物ならば,日本でも早く始めたらいいのにと思うのだが,現在の所,国内にはインフルエンザ菌のワクチンなどない.特にインフルエンザ菌は慢性閉塞性肺疾患の急性増悪の重要な病原菌である.乳児もそうだが,慢性閉塞性肺疾患の患者にこういうワクチンを接種することを考えるべきではないか.

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