秘策あります

ある方から新型インフルエンザへの対処法を尋ねられて:

もちろん秘策があります。それも2つも。それは、「わからない」と「同じ」です。

1.わからない。どこがどう新しいのかは、誰にもわからない。どこかの誰かが素晴らしい正解を持っているとは思わない。誰も持ってやしない。だって、新しいんだもの。誰も経験していないんだもの。新しいウイルスにタミフルがどれほど効くのか、どんな副作用があるのか、誰にもわからない。だって、新しいウイルスについて、タミフルの臨床試験をしていないんだもの。新しいワクチン。効くのか効かないのか、どんな副作用が出るのか、わからない。だって、まともな臨床試験していなんだもの。

2.同じ。やることは、これまでと同じ。だって、誰も素晴らしい正解を持っていないのだから。だって、どこがどんなにふうに新しいのか、ただH1N1って覚えやすい記号になっただけ。それ以外は全くわからない。一方、これまでのインフルエンザに対してだって、我々はやることをやってきた。限られた資源、限られた時間、限られた労力の中で、やるべきことを懸命にやってきた。少なくとも私は。私が手抜きをしてきたと断言できる人は面と向かって私にそう言うがいい。しかし私はそんな奴を金輪際相手にしない。
同様に、これまでのインフルエンザシーズンで、自分が手抜きをしてきたという人がいたら手を挙げてほしい。もし、そういう人がいれば、これまでとやることは違ってくるだろう。しかし、これまで、毎日、過労死のリスクを冒して懸命に働いてきたあなたに、新しく重大な使命を帯びた仕事をやれとは、少なくとも私は言わない。
それとも、どこかの新型インフルエンザ対策マニュアルに、”「いつも通りのことをやるだけ」という台詞は、甲子園大会の決勝に臨む監督しか使ってはいけない”とでも書いてあるのだろうか?

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