ローリスク・ハ
イリターン
平均気温の上昇だけを取り上げて、さも地球が十年後には滅亡するかのように騒いでいるが、現在住みにくい寒冷地が住みやすくなる類の有利なアウトカムは全
く無視している。アウトカム評価自体に、悲観論好きの強烈なバイアスがかかっている。これでは公平な審査はできない。
人間の活動→温暖化仮説の最大の難点は、観察研究だけで介入研究ができないことだ。また温暖化仮説論者の多くは産業革命以後の人間の活動に注目している
が、そんなミクロの時間単位で、地球レベルの温度変化を論じることが可能なのか、はなはだ疑問である。たとえば、氷期、間氷期は
10-100万年単位での変化である。
どこの国、いつの世でも、末世・末法思想は人気がある。悲観論が楽観論より売れるのは、外れてもリスクが少なく、当たれば名声が高まる、世にも珍しいロー
リスク・ハイリターンな資源だからだ。楽観論はその逆。そのようなローリスク・ハイリターン資源から、無数の報道番組、科学雑誌、莫大な資金を消費する研
究、そしてそこから雇用が生まれる。元手要らずの便利な公共事業というわけだ。つい数十年前までは、温暖化の代わりに氷河期仮
説が公共事業資源として大
手を振っていた。今風に言えば、どちらかが捏造に違いないのだが、ロー
リスク・ハイリターンな資源の使いまわしの大義の前には、科学の節操もへったくれもあったものではない。
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