神経言語プログラミング(NLP),コーチング,認知行動療法(CBT)・・・臨床現場にもいろいろな道具が入ってきた.いずれも,現場の人々のストレスをより少なくてして,より快適に,効率よく,ひいては,より安全に(医療者も患者さんも)働けるよう,行動を変えていく道具である.
道具の種類がいろいろあって戸惑うのだが,目的は共通している.それに,どうも,構成要素も似通っている.その構成要素の一例を下記に挙げる.
○outcome-based thinking(だからどうなのという問いにはっきり答えられないものには拘らない)
○救世主願望への拘りの低減(アウトカムが望ましくなかった場合でも自分ばかりを責めずないことによってうつ病のリスクを低減する)
○パターナリズムの低減:自分が名医であるかのような振る舞いを避けて,”わからない”を共同作業のための資源にする
○例外事象の一般化を避ける.
○全か無かの法則の回避:臨床判断はデジタルではなく,グレースケールの落しどころをどこにするか
こうしてみると,優秀な臨床医が昔から使っていた要素ばかりだ.NLPにせよ,コーチングにせよ,CBTにせよ,これらの要素をうまい使い方を指南する方法論なのだろう.