昔は皇帝一人にやらせておけばよかったのだが,今や不老長寿の薬探しは,プロ・アマチュア入り乱れての全員参加のバブルゲームになっている. インターネットはここぞとばかり威力を発揮する.砒素,鉛,牛の甲状腺,覚醒剤(エフェドリン),何でもありの,中国三千年の歴史を誇る健康食品だって,クリック一つで手に入っちゃうんだから.
一方,治験は,医者,製薬会社,研究者,そして何千人もの治験患者を巻き込んだ全員参加ゲームになった.これで有意差の星が一つか二つつけば,ビジネスチャンスの誕生だ.ACE inhibitorを何とかサルタンに代えたところで,何ヶ月寿命が延びるかどうか知らないが.薬価は高いから製薬会社は大喜びだ.
先進国以外の多くの国では,最低限の医薬品はおろか,世界中で8億人が食うや食わずで栄養失調に陥っているというのに,この始皇帝ゲームはいつまで続くのだろうか.