Post F. Creativity and psychopathology. A study of 291 world-famous men.Br J Psychiatry. 1994 Jul;165(2):22-34.
先日,ある精神科医と政治家の精神病理について議論していた.公衆の面前で,自分はいい人だ主張し,金も女(男)もほしくありませんと大声で嘘をつけるのは,やはり病気なのだろうという趣旨だった.そのことに関連して,上記のような面白い論文を教えてくれた.
科学者,作曲家,政治家,絵描き,哲学者,小説家の291人を,頭のおかしな程度によって,まとも,中等賞,重症,超重症の四段階に分類したのである.その表は見ていて飽きない.
政治家では,17.4%が超重症に分類されている.アドルフ・ヒトラーはもちろん超重症に分類されているが,ディズレーリ,リンカーン,ウッドロウ・ウィルソンも同じく超重症である.チャーチルとドゴールは重症.一方,フランコとメッテルニヒはまともだという.
超重症の割合が一番多いのは小説家で,46%.その中には,カフカ,ジョイス,ドストエフスキーといった,さもありなんといった面々が含まれているが,ヘッセ,トーマス・マン,プルースト,スタンダールもお仲間である.カミュが重症に入っているのはいいとして,バーナード・ショー,ディッケンズ,サマセット・モームも重症とのこと.
死人に口なしとは,このような論文にも当てはまる金言だろう.興味のある方はご一読あれ.表1,表2,表3,表4