患者は嘘をつく

Dr HouseをDVDレンタルショップで見かけたので、借りてきました。まだ、シリーズ1の第一作を見ただけですが、それだけで気に入りました。グレゴリー・ハウス、いいですねえ。日本語では、「患者は嘘をつく」と訳していますが、実際には、Everybody liesですね。患者ばかりでなく、チームメンバーも嘘をつく。その嘘が飯の種そのものになる。医者の商売をずばり言い当てた言葉です。嘘をついてくれないと、商売あがったり。

自分の頭の中がどうなっているのか、自分は何をどう考えているのか、それこそ ”みんな” わかっていません。自分の頭の中は永遠の暗黒大陸です。「自分のことは自分が一番よく知っている」というドグマに支配されている限り、人は嘘をつき続けます。なぜ、嘘をつき続けることになるのか?それは自分を知ろうとしないまま、自分を意識しないまま、自分という真実がわからないまま、生きていくことになるからです。真実がわからなければ、自分を含めて誰も嘘に気づきません。だから嘘をつき続けられるのです。

しかし、病気になると、なぜ、こうなったんだろうと考えます。病気になった自分のことを考えます。そうして初めて、暗黒大陸に一条の光が当たります。少なくとも病気に関する限り、自分の真実がわかるのです。真実がわかれば、嘘をついていたことがわかります。患者自身も、チームメンバーも、その嘘がわからなくても、医者はわかる。わからなくてはいけない。わかって、それを患者と仲間に伝えなければいけない。それが医者という商売です。

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