バカもまた国境を超えるPCR原理主義者の「論理

「もっとコロナの検査しろ」という,おバカなPCR原理主義者達(以下単にバカと略)の主張の科学的根拠は何だろうか?検査キットの会社の株を持っているから?医療を崩壊させたいから介護を崩壊させたいから?どれもおそらく違う(だろうと思いたい)。では、検査がCOVID-19を治すからか?残念ながら違う。

彼らは「検査を増やせば→COVID-19による死者が減る」 という信仰を科学的根拠と偽装しているに過ぎない。PCRは治療ではない.PCRを行ってCOVID-19と診断できるからといって(*)、重症者を救命する確実な手段がないという厳然たる事実を全く認識できていないのだ。
(*実はPCR検査では新コロの治療はもちろん診断もできない.詳しくは→ウイルスの死骸を数えてどんちゃん騒ぎ
「日本の医療が欧米に比べて劣っているから、こういう(なんだそれ?)嘆かわしい状況(これも大嘘)になるのだ」と、問題をすり替えようとするバカもいるだろうが、そうは問屋が卸さない。問題の本質は「バカは世界中どこにでもいる」という事実である。ここに紹介するのはその氷山の一角である。
Ryan Fahey. Iceland has tested one-tenth of its population for coronavirus at random and found HALF of those who were positive had the disease without realising - with only seven deaths in 1,600 cases. Daily Mail Online (updated 17 April 2020)

Daily Mailは英国のタブロイド紙(庶民向の新聞)だが、ことCOVID-19に関しては、日本国内外を問わず,庶民も専門家の大先生方も「もっと検査しろ」だから、Daily Mailのだけがバカなのではない。ここでDaily Mailの記事を取り上げたのは、英語がわからない方々に対しても、下記の錯乱した檄文と図を見るだけで、バカさ加減がわかるからだ。

アイスランドでは国民の10%が検査を受けているのに、英国民はたったの0.48%(!)図1)。
アイスランドは死亡者数がたったの「6」なのに対し、英国では1万人近くもの尊い人命が失われている。図2。縦軸が示しているのは対人口あたりの死亡数ではなく、単純に死亡者数。やっぱりバカ丸出し)
以上より(何が??)我が大英帝国もアイスランドを見習い、Battle of Britain並の決意で全力を挙げてPCRを増加させねばらないかつてわれらの父母,祖父母は,シャーマン戦車に竹槍で立ち向かうように教育された。あれから75年。その精神はユーラシア大陸を超えて息づいている。

同じようなバカはもちろん我が国にも山のようにいる
コロナ不安を煽り続ける「羽鳥慎一モーニングショー」(岡田晴恵)を検証する(2020/03/25)
「100人切った」で喜ぶな!感染者数が日曜に下がるのは「途上国並み」「日本の恥」と大学長(島田眞路)が問題提起
高橋 徹 シンガポールで感染爆発、「移民立国」の光と影 (日経新聞 2020/4/28):この記事が出た2020/4/28現在、シンガポールでの感染者数は4月20日の1426人をピークに減少に向かっている。さらに対100万人当たりの死亡数は2.45と、172の米国、欧州の中でも最優等生のドイツ(73)と比べて超エリートの成績を示している。何が感染爆発だ、このタコ!。この記事もまた、日経のFT買収の失敗と、執筆したアジア総局長とやらのリテラシーの欠如を示す、この上もなく頑健なエビデンスの一つである。
重政紀元 PCR検査多い国はコロナ死亡率減 千葉大がデータ分析(朝日新聞 2020年4月27日)
●論文にしていない、研究者とやらの聞き取りだけで記事をでっち上げている。
●横断研究(らしきものの)の欠陥を踏まえていない(犯罪が多い国では警官が多い→警官が犯罪の原因であると結論する類い)
●「1億人あたりの1日の死亡者数」などという珍妙な指標ををアウトカム評価にしているタコ研究。どうして誤りなのかを理解できていないタコ研究者。それをそのまま垂れ流すしか能の無いタコ記者。

西村秀一:PCR論争に寄せて─PCR検査を行っている立場から検査の飛躍的増大を求める声に
バカにも国境はない Part n
介護・医療崩壊は鴨の味?
コロナのデマに飽きた人へ
表紙へ