治療アプリ開発の意義
論点は複数あるだろうが,私が一番興味を持ったのは,生活習慣病,精神疾患といった分野における非薬理学的介入の有効性検証が,治療用アプリ開発→承認→保険適用というインセンティブによって,これからどんどん進んでいくであろうことだ.こういう流れに対して,医療職は「自分の仕事を奪われる」と恐れる必要は全くない.治療用アプリを使って診療を効率化するにとどまらず→患者さんの笑顔につなげていくことができるのは,人間だけなのだから.
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国内第Ⅲ相臨床試験で禁煙外来におけるニコチン依存症治療用アプリの有効性を確認(CureApp 報道発表 2019年5月30日)

「アプリで治療」が日本でも、禁煙治療用アプリが国内初承認へ(日経クロステック 2020.06.19)

ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の治療補助と位置づけられており、標準的な禁煙治療プログラムの中で、禁煙補助薬の「チャンピックス」(一般名称:バレニクリン)と組み合わせて使う.(中略)CureAppは正式に承認を得た後、保険適用のための手続きを始め、2020年内の保険適用を目指す。「保険点数がどれくらいつくかが、今後大事なところだ」(CureAppの佐竹晃太社長)

CureApp、高血圧治療用アプリの第3相臨床試験を開始(Med IT Tech 2020/01/31)
試験はすでに昨年12月から全国12施設で開始されている。対象を降圧薬非導入の患者とし、今回の治療用アプリで生活習慣の改善を目指した患者と、高血圧治療ガイドラインに準拠して同様に生活習慣改善を目指した患者の12週時点での血圧の変化量を比較する。試験デザインを降圧薬非導入の患者に定したのは、開発したアプリの特色が生活習慣指導に特化したものだからだ。同社によると、アプリには高血圧治療ガイドラインや最新の論文、また同社がこれまで展開し てきた企業向けの事業等で得た知見などを投入したデータベースが搭載されており、患者個々の状況に合わせ、適切なタイミングで適切なガイダン スが自動でできるアルゴリズムを独自開発したという。なお開発手法として自動でアルゴリズムを作成するいわゆる人工知能(AI)は活用してお らず、社内で手数をかけて開発したとのこと。

田辺三菱 うつ病治療用アプリ、国内初の医療機器承認めざして開発 25年度までに実用化(ミクスオンライン 2020/09/02 )
これまでにうつ病患者を対象とした医師主導臨床研究(FLATT試験)で、抗うつ薬との併用により、薬剤単独群と比較して、うつ病の症状を改善することが確認されたという。同アプリは娯楽性や視覚的な工夫をこらしており、薬物療法と併用して使用することで、抗うつ効果をさらに高めることが期待されている。
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