またぞろ外資(といっても例によってアメリカの企業がほとんどだが)が日本の医療サービスに参入させろとわめいている.参入したいのなら勝手にすればいいんだし,実際に臨床の知識や技術には全く壁はない.むしろ盲目的に輸入品を崇める傾向が強いぐらいだ.
参入するのは結構だが,その責任はきちんと取っていただきたい.ここ2−3年に限っても,日本での事業縮小・撤退を決めた外資系企業の例は枚挙に暇がない.外食のバーガーキング,パソコンのゲートウェイ,石油のBritish Petrolium,ネットオークションのイーベイ,いずれも本国では押しも押されぬ大企業である.証券会社に至っては,モルガンスタンレー,メリルリンチ,ソシエテジェネラル,チャールズシュワブと,ほぼ壊滅状態である.
いずれも自由競争の環境が確保された状態となって参入してきた企業である.それが多くは2年とたたないうちに撤退を決めている.商品がハンバーガーなら,儲からなければはいさようなら,それでいいだろう.しかし,ゲートウェイの場合,後に残されるたのは,サポートを失った哀れな顧客である.サポートナンバーワンを誇っていたゲートウェイに,何の予告もなくある日突然撤退を通告された顧客の気持ちはいかばかりだったろう.
参入したいのは,商売になると見込んでいるからだろう.その目論見が外れた時,彼らはどうするのだろうか?コンピューターなら壊れたら買い換えればいいだけだが,人の命は買い替えが利かないことを理解した上で参入してくれることを祈っている.